業界別M&A動向

情報サービス業界のM&A動向大業種: 情報通信業

情報サービス業界の主要10社

経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、2000年に売上高6兆円であった情報サービス業は08年には11.2兆円に成長。リーマン・ショックなどを背景に減少し11年には9.9兆円になったがその後回復。16年の売上高は11兆円であった。このうちシステムインテグレーション(企業のシステム導入に係わる企画、設計、開発、構築、運用、保守、管理などを一括して請け負うサービス)を含む「受注ソフトウェア」の売上が約6割を占めている。

(「情報サービス業」に係わる経済産業省の統計には、「特定サービス産業動態統計調査」と「特定サービス産業実態調査」があるが、本稿では「特定サービス産業動態統計調査」のデータを採用)

業界定義

情報サービス業には以下の業務を行う企業が含まれる(経済産業省「特定サービス産業動態統計」を参考に作成)。

1.特定のユーザーからの受注によるオーダーメイドのソフトウェアや情報システムの開発・作成
2.特定のユーザーにコンピュータシステムの導入をサポートする目的で行う全般的な作業
3.不特定多数のユーザーを対象として開発・作成したレディ・メイドまたはイージー・オーダーのソフトウェア販売
4.ユーザーの給与計算、製品管理計算や企業間、官公庁などにおける各種データ処理サービス
5.ユーザーの情報処理システム、コンピュータセンターなどの管理運営受託
6.コンピュータへ各種データを収集、加工、蓄積し提供するデータベースサービス
など

業界分析

業界構造
情報サービス業界は、システムインテグレーションを担うシステムインテグレーターが、顧客企業からシステム導入を一括して受注し、個別のシステム開発などを2次請け、3次請けの企業に発注するケースが一般的。ゼネコン業界と類似したピラミッド構造になっている。

なお、情報サービス業界に属する企業は一般的に、ハードウェアメーカーを源流とする「メーカー系」、ユーザー企業の情報システム部門が子会社として独立した「ユーザー系」、特定の親会社をもたない「独立系」に分類される。

業界概況
リーマン・ショックなどを契機にIT投資を抑制する傾向が強まったが、企業業績の回復、金融機関、官公庁からの受注増加によって情報サービス業界の売上は回復傾向。ただし、企業のコスト意識向上に伴い、情報サービス会社にとってはシステム・コンサルティングやソリューションの提供といった、より付加価値の高いサービス提供が肝要になっている。

最近ではクラウドコンピューティングやビッグデータなどの活用に対する需要が増大。これ自体はビジネス・チャンスになり得るものの、情報サービス会社においては対応能力の向上が求められる。

また、顧客企業がコスト削減のためシステム開発や保守・管理などを海外の情報サービス会社に委託する「オフショア開発」も増加していると伝えられており、同業界における企業間競争は激化しているものと考えられる。

キーワード

■クラウドコンピューティング
ネットワーク経由で情報システムやソフトを利用する「クラウドコンピューティング」関連の市場が急速に伸びている。仮想化やサーバの運用・監視など、データセンター関連の需要も高まっている。

■セキュリティー関連需要
震災を機に企業の情報危機管理意識が高まっており、災害時にも急速な復旧・運用が可能な体制作りが求められている。スマートフォン関連含め、セキュリティー需要は引続き好調に推移している。

■ビッグデータ
インターネットの急速な普及と情報量の増大により、企業内外に埋もれた膨大な情報の効率的な処理・活用ニーズが高まっている。

M&A動向

大手企業
国内では、2011年に住友商事子会社の住商情報システムと独立系のCSKが合併しSCSKが発足。その後は、野村総合研究所による味の素子会社の味の素システムテクノ買収(12年)、富士通による日揮子会社の日揮情報システム買収(16年)、古河インフォメーション・テクノロジー買収(17年10月完了予定)など、システム子会社を巡るM&Aが行われている。

また、外国企業を対象とするM&Aが増加。特にNTTデータは10年に米国のキーンインターナショナル、そして、16年には米国パソコンメーカーのデルからITサービス関連事業を取得するなど、M&Aを通じて海外事業を拡大している。

有力企業
東証1部上場の豆蔵ホールディングスによるアイキューム買収(システム開発、未上場、16年)や、ジャスダック上場のシステム情報によるシンクスクエア買収(クラウドサービスベンチャー、未上場、17年)など中堅企業を巡る動きも活発。買い手企業側におけるサービス・メニューの拡大と売り手企業側の事業承継解決などの意向がマッチングすることにより、未上場企業を対象としたM&Aは今後も増加するものと考えられる。

異業種による買収
この他、人材派遣業の夢真ホールディングスがクラウドソリューションOEM供給のKeepdata(未上場)を買収(16年)。また、セイコーホールディングスが傘下のセイコーソリューションズを通じてソフトウェア開発のアイ・アイ・エム(未上場)を買収(17年)するなど、異業種がM&Aによって情報サービス事業を強化する例も散見されている。

業界主要企業

企業名 売上高 営業利益
エヌ・ティ・ティ・データ 1,732,473 65,686
日本IBM(非上場) 887,500 171,700
大塚商会 643,417 26,675
野村総合研究所 424,548 45,064
伊藤忠テクノソリューションズ 407,849 21,861
TIS 393,398 16,306
日立システムズ(非上場) 381,762 13,786
みずほ情報総研(非上場) 351,000
SCSK 329,303 28,458
日本ユニシス 282,249 10,261

(単位:百万円)

当社の成約事例

成約年月 対象会社(譲渡会社) 譲受会社 取引スキーム
2017年6月 ネットワークの構築・運用管理 ソフトウェア受託開発 株式譲渡 詳細  >
2017年5月 システム開発会社 システム開発会社 株式譲渡 詳細  >
2017年3月 建築CADシステムの開発 確認検査事業 100%株式譲渡 詳細  >
2016年9月 クールジャパン事業 ソフトウェア開発 株式譲渡 詳細  >
2015年9月 3DCG制作事業 3DCG制作事業 100%株式譲渡 詳細  >
2014年9月 ネット通販 ネット通販 100%株式譲渡 詳細  >
2013年10月 IT・ソフトウェア開発 OA機器販売 新設会社分割 詳細  >
2013年1月 ソフト開発 コンテンツ企画・開発 100%株式譲渡 詳細  >
2012年4月 ソフトウェア開発 ソフトウェア開発 100%株式譲渡 詳細  >
2008年2月 物流システム開発 大手SIer
(上場企業)
第三者割当増資 詳細  >

関連売却情報

業種 概算売上高 所在地
情報サービス業 7億円 東日本 詳細・お問い合わせ  >

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