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業界の定義

ホームセンターとは、住宅関連用品を幅広く品揃えした大型小売店をさす。
ホームセンターは和製英語で、英語では、DIY Storeと呼ばれる。DIY関連品、自動車用品、園芸用品、家電製品、組立式家具製品、自動車用品など、消費者の手作り志向や、ハウスキーピングを目的とした商品をメインにそろえている。大駐車場を持つ郊外型の大型店舗と、都心型の比較的小さい店舗がある。

余暇時間の増大や生活の豊かさへの志向などで消費者のニーズが高く、急成長した業態だが、近年ではアウトレットモールやショッピングモールとの競争も激化し、ディスカウント型やフランチャイズ・チェーン型のホームセンターも目立つようになってきた。

業界の特色

1969年、アメリカ合衆国のハードウェアショップをヒントにし、島根県益田市に「ジュンテンドー」が、ハウジングランド順天堂駅前店を開店したのが日本での始まりとされている。日本で最初にホームセンターという名称を使ったとされているのは、村内ホームセンター(現:村内ファニチャーアクセス)で同年9月に東京都八王子市に開店した。
1990年代に入ると、食品スーパーを核とし、ドラッグストアやホームセンターなどのテナントを持つネイバーフットショッピングセンターに出店することが多く見られるようになる。

大手事業者への集中や、小規模事業者の廃業・業態転換も目立つようになった。

2000年6月、大規模小売店舗を設置する者に、よりその施設の配置及び運営方法について適正な配慮がなされることを目的とした「大規模小売店舗立地法」の施行がされた。それを受けて、都市近郊や郊外では、他の業態との競争の激化が起こり始め、各企業ごとに生き残り戦略がとられるようになった。

農業や工務店向けの業務用需要を取り込んだ企業や、PRO需要専門店を展開する企業、地価の下がった都心部への出店や農村部への出店が可能な小型店舗の開発を進める動きも出てきた。

市場規模

経済産業省「商業動態統計」によると、ホームセンターの2018年の売上は3,289,263百万円。2014年と2018年を比較して増減率を計算すると、売上は1.7%減少している。日本ドゥ・イット・ユアセルフ(DIY)協会の調査によると、1973年に全国で28店、1974年に60店だった店舗数は、1975~1999年の間に年間約100~200店のペースで増え続けており、店舗数は順調に伸びている。

2018年には4,700店舗を超え、4兆円の売上規模まで成長したホームセンター業界だが、2005年ごろから顕著な変動を見せることなく安定的に推移している。店舗数は依然として増えているが、売上は減少していることから、1店舗あたりの売上は減っているといえるが、小売業を取り巻く環境を考えると、業界自体は堅調といえる。

背景として、消費者の求めるものが、物質的な豊かさから精神的な豊かさへと変化し、さらに働き方の改善などが行われた結果、余暇時間の増大にともない、文化的、創造的生活を求める新しい生活価値観が生まれたことにあるようだ。


課題と展望

経済産業省の「商業動態統計」では、2014年と2018を比較して、売上の増減率を計算すると、DIY用具・素材は2.9%増、電気は4.9%減、インテリアは11.9%減、家庭用品・日用品は1.2%減、園芸・エクステリアは3.1%減、ペット・ペット用品は5.9%増、カー用品・アウトドアは4.1%減、オフィス・カルチャーは4.2%減、その他は0.3%減と、売上が減少しているカテゴリが目立つ。

ホームセンター商品別販売額寄与度

ホームセンター各社の決算データを見ても、業者向けの資材・工具の販売は好調だが、一般向けの販売は不調の傾向が見られる。業者向けの商品は売上総利益率が高いが、何らかの理由で業者向けの販売が落ち込んだり、売上総利益率が悪化した場合、一般向け商品の不調をカバーできなくなってしまう可能性があるため、業者向けの売上を維持しつつ、一般向けの販売を立て直して、収益性をさらに高めなければいけない。

また、ドラッグストアやニトリなど品揃えが豊富で、低価格、商圏も狭い点でホームセンターよりも優位にある。ドラッグストアは新規出店数が多く、ホームセンターよりも近距離にあることから客足が奪われると懸念されているため、それらに対抗する有効な施策を見出す必要がある。


さらに、ネット通販はホームセンターにとっても脅威だ。BtoBのネット通販サイトには、アスクルや、Amazon Businessなどが存在する。実店舗とネット通販を比較すると、実店舗は必要な商品をすぐに手に入れられる点が強みであるのに対し、ネット通販も当日配達を強化している。
ネット通販は、品揃えがほぼ無制限にあり、再購入も容易だ。ホームセンター各社は客離れを防ぐためにシステム的な施策を打ち出している。カインズでは、ネットで予約注文した商品を店頭で受け取れるサービス「55-DASH(ゴーゴーダッシュ)プロ」を一部の店舗で開始し、広い店内で欲しいものにたどり着くまでの時間を短縮できるようにした。スマホアプリから在庫の確認ができる仕組みや、売り場が分かる仕組みがあれば、商品を案内する店員の負担も軽くなるため、人件費削減にも繋がる。

ホームセンター業界のM&A動向

ホームセンター業界では、これまで新店を出すことで、市場規模の拡大と維持をしてきた。しかし、オンラインで手軽に豊富な商品を購入できるようになったことや、ドラッグストアなどより身近な店舗との競争などから、ホームセンターで購入する優位性が失われつつある。

ホームセンター業界では、M&Aを行うことで、単に売上を拡大させるだけでなく、品揃えを良くすることや提供サービスの拡充、仕入れルートの最適化などが期待できると考えられている。ホームセンター企業同士のM&A、親和性の高い企業間でのM&A、リフォーム事業など関連業種の譲受、資本提携が多く行われている。

―主な事例―


■2017年1月
DCMホールディングスは、ケーヨーとの間で資本業務提携を実施し、ケーヨーが実施する第三者割当増資を引き受けることを決定。DCMホールディングスは、出店地域の補完を図るほか、経営規模の拡大による仕入・販売促進・物流体制における業務の効率化を行う。プライベートブランド開発のノウハウを相互に活用し、顧客のニーズを取り入れた商品開発を進めるなど、シナジーを創出し、両社の企業価値向上を目指す。


■2017年4月
コーナン商事は、小田急電鉄より神奈川県を中心にホームセンター店舗を展開している株式会社ビーバートザン(神奈川県厚木市)の発行済全株式を取得し、100%子会社化することを決定。本M&Aにより、コーナン商事は、神奈川県におけるより一層の営業基盤の強化、店舗網の拡充を進める。


■2018年11月
綿半ホールディングスは、株式会社アベルネット(東京都台東区)の全株式を取得価額2,000百万円で取得し、連結子会社化した。綿半HDグループは、スーパーセンター事業において、インターネットを活用した通販事業も展開しており、さらなる顧客獲得のため、取扱商品の拡大に注力している。アベルネットは、通販サイト「PCボンバー」を運営し、家電・パソコン以外にも取扱商材を広げている。本M&Aにより、取扱商品の拡充をはじめ、通信販売の強化などのシナジーを創出し、グループ全体で価値向上していく狙い。


弊社のM&Aご成約実績

  • 成約年数
    2020年9月
    対象会社(譲渡会社)
    ホームセンター
    地域:中国
    譲受会社
    緑地化事業
    地域:中国
    取引スキーム/問題点・概要
    株式譲渡
    譲渡企業は、中国地方で農業に特化したホームセンターを5店舗展開。地域に密着した営業で奮闘していたが人口減少による業績悪化と後継...
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  • 成約年数
    2019年8月
    対象会社(譲渡会社)
    FC店管理・建築資材卸売
    地域:関東
    譲受会社
    ホームセンター、建設、貿易事業
    地域:関東
    取引スキーム/問題点・概要
    55歳以上,株式譲渡,後継者不在
    譲渡企業は、全国展開するハウスメーカー。FC事業に特化したことで、短期間で全国展開に成功し、業績は順調であった。しかし、後継者...
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新着案件情報
  • 詳細業種 建築業
    所在地 中部・北陸
    概算売上 10億円~30億円
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  • 詳細業種 人材紹介業
    所在地 関東
    概算売上 1億円~2.5億円
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  • 詳細業種 ITコンサルティング・マーケティングサポート
    所在地 関東
    概算売上 2.5億円~5億円
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  • 詳細業種 和食レストラン・弁当屋
    所在地 関東
    概算売上 5億円~10億円
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  • 詳細業種 電気工事
    所在地 関西
    概算売上 10億円~30億円
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  • 詳細業種 地域特産品に係る販売業務
    所在地 北海道
    概算売上 2.5億円~5億円
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  • 詳細業種 解体工事・リフォーム・エクステリア工事・不動産中古再販
    所在地 関東
    概算売上 10億円~30億円
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  • 詳細業種 室内スポーツ用品ブランド
    所在地 関東
    概算売上 10億円~30億円
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  • 詳細業種 学校法人(専門学校)、株式会社(職業訓練校、民営職業紹介業)
    所在地 関西
    概算売上 2.5億円~5億円
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