レンタカー
業界別M&A動向

レンタカー業界のM&A動向

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監修者プロフィール

  • 企業情報部 部長 竹内 謙太

    企業情報部部長竹内 謙太

    会計系コンサルティング会社を経て、独立系M&AブティックでM&Aアドバイザリー業務に従事。
    2018年当社参画以降は、不動産開発・売買・仲介・賃貸・管理、ホテル事業等、不動産に関連する企業のM&A成約実績を有する。

業界の定義

レンタカー業とは、自動車を有料で貸し出す事業のことをいう。レンタカー業を経営するためには、自家用自動車有償貸渡業の許可を取得しなければ事業は開始できないが、その許可は法人だけでなく個人事業主でも取得することができる。
レンタカー業では、レンタカーの車両を利用して人を乗車させ運賃をもらう行為はできない。自家用自動車有償貸渡業の許可は自動車を貸し出す事業であって、旅客運送法に基づく旅客運送業ではない。

業界の特色

レンタカー業界イメージ画像

若者を中心に「所有」から「シェア」への意識変化がレンタカー業界には追い風となり、レンタカー業界が成長している。訪日外国人の増加も業界にはプラスに働いている。しかし、総務省の調査によると、大阪府内のレンタカー会社の計52営業所における、外国人のレンタカー運転による事故率は、日本人の4倍以上という結果になっており、業界だけでなく管轄官庁も対策に乗り出している。

帝国データバンクによると、レンタカーを主業とする会社は全国に237社が存在し、そのうち1割近い23社が観光・リゾートで訪れる人が多い沖縄県に存在する。従業員数5人以下の事業者が3割近い74社が占めており、中小企業がひしめく業界である。

時代の流れとして「カーシェアリング」というサービスが普及し始めている。レンタカーとカーシェアリングの違いは、レンタカーは会員制でないため借りる度に書類記入のなどの手続きが必要であることに対して、カーシェアリングは会員制なので入会すると借りる際の手続きは不要であることだ。最低利用時間はレンタカーの6時間に対してカーシェアリングは10分や15分単位。カーシェアリングはICカードなどを使って無人で貸し出しと返却が24時間いつでも可能で、拠点数も最大手トヨタレンタリースの1,000ヶ所に対して、カーシェアリング最大手タイムズカーシェアは15,000カ所にのぼる。タイムズ24の駐車場を利用しているので住宅地にもある。ガソリン満タン返しも不要だが、乗り捨てサービスはまだ試験的に導入中の状況だ。

市場の規模

株式会社矢野経済研究所によると、レンタカー業界の2014年のレンタカー市場規模はユーザー支払金額ベースで、前年比4.1%増の6,350億円であった。2020年のレンタカー業界の市場規模は6,700億円と予測している。

個人向けの需要が堅調で、消費税増税にともない個人向けは落ち込むかと思われたが、車を買う需要が落ち込み、車を借りる需要は伸びている。特に大都市圏は、公共交通機関が発達しており自動車を所有しなければならない欲求が強くなく、日常の移動距離(行動範囲)も短いうえに、駐車場の賃料が高いなどの要因が自動車を購入する動機を小さくしている。

さらに個人利用の目的として、キャンピングカーやリムジン車両・外国車など高級車の需要が高まっている。イベントと合わせて利用する体験型レンタカーは、単なる移動手段ではなく結婚を申し込む時に利用するなどライフシーンに合わせた使い方が多くなっている。

レンタカー会社はジャンルに分かれていて、メーカー系だとトヨタレンタリースを運営している株式会社トヨタレンタリース、日産レンタカーを運営している株式会社日産カーレンタルソリューションがあげられる。独立系だと、ニッポンレンタカーを運営しているニッポンレンタカーサービス株式会社、オリックスレンタカーを運営しているオリックス自動車株式会社、タイムズカーレンタルを運営しているタイムズモビリティ株式会社があり、格安レンタカーとしてニコニコレンタカーを運営している株式会社レンタスがある。


課題と展望

レンタカーは、都心部では法人需要で貨物の運搬や人の移動、大都市周辺では個人需要のショッピングやレジャー利用、地方都市では法人の出張や個人の観光旅行など全国で万遍なく日常で利用されている。

法人ではリーマンショック以降いつ有事があるかわからなく、固定費を削減しようと社有車を減らす動きが顕著で、必要な時のみに利用するレンタカーへ転換するケースが増えている。個人も「必要な時だけレンタカーで十分」と考える人達が近年増加しているため、今後も成長市場として期待できる。

課題といえば業界特有の労働問題である。サービス時間の都合上、午前8時から午後8時勤務が当たり前になっており、食事も店舗内で食べながら利用客が来たら中断して対応しなければならない状況が多い。拘束時間が長く、業務は顧客対応と車両清掃がメインのため給与水準も高くないため、今後も成長するには労働人口減少にどう対応するかである。



レンタカー業界のM&A動向

レンタカー業界は、レンタカーの多くの拠点が空港にあるため、航空業界と密接に連動した関係にある。また、近年大きく規模を拡大しているカーシェアリング事業への参入するケースも見られる。

2019年、株式会社ディー・エヌ・エーと、SOMPOホールディングス株式会社は、個人間カーシェア事業の合弁会社「DeNA SOMPO Mobility」とマイカーリース事業の合弁会社「DeNA SOMPO Carlife」を設立した。この合弁会社の設立を通じて、リアルとデジタルを融合させたモビリティサービスにおける新しい価値の提供が図られた。

2019年、株式会社オプティマスグループは、ニュージーランドにある100%子会社Universal Rental Cars Limitedを通じて、ニュージーランドでレンタカー事業を行っているUSAVE Car & Truck Rentals LimitedをM&Aした。M&A総額は約6億円で、このM&Aにより、重複する拠点の統合等を行い、効率的な事業運営と収益力強化が図られた。

2009年、パーク24株式会社は、株式会社マツダレンタカーをM&A。このM&Aを契機として、2012年にはレンタカーサービス「タイムズ カー レンタル」とカーシェアリングサービス「タイムズ カー プラス」事業がスタートした。



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