テンダー・オファー(Tender Offer)とは? テンダー・オファーの定義、具体的な事例、留意点について詳しく説明します。

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M&A(Mergers and Acquisitions、合併・買収)は、企業の成長戦略や再編の手段として日本だけではなく、世界中で行われています。特に、経営者の方々が事業の拡大、後継者問題の解決、新たな価値の創出などの目的でM&Aを検討するケースが増えてきているのではないでしょうか。その中で、テンダー・オファーという手法が注目されることが多くあります。今回は、テンダー・オファーの定義、具体的な事例、留意点について詳しく説明します。

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1. テンダー・オファー(Tender Offer)の概要

1-1. テンダー・オファー(Tender Offer)とは?

テンダー・オファー(Tender Offer)とは、公開株式を所有する株主に対して、ある一定の期間内に所定の価格でその株式を買い取る意向を公に表明し、その株式を実際に買い取る行為を指します。これは、通常、企業の株式の過半数を取得することを目的として行われ、結果的にその企業の経営権を握ることを目指すものです。
テンダー・オファーは、テイクオーバービット(Take Over Bid)とも呼ばれ、M&Aでは略してTOBといわれることもあります。
例えば、ある企業Aが別の企業Bの株式の50%以上を取得することで、企業Bの経営権を握りたいと考えた場合、企業Bの株主に対して一定の価格で株式を売却するようオファーします。そして、十分な数の株主がこのオファーを受け入れることで、企業Aは企業Bの経営権を手中に収めることができるのです。

1-2. 具体的な事例

日本のビジネスの歴史には、テンダー・オファーを使用した有名なM&A事例が数多く存在します。その中で代表的なものとして、2006年の「三洋電機」に対する「パナソニック」のテンダー・オファーが挙げられます。この時、パナソニックは三洋電機の株式を一株あたり131円で買い取るという条件でテンダー・オファーを実施。成功を収め、三洋電機はパナソニックのグループ企業として経営が続けられることとなりました。

1-3. テンダー・オファー(Tender Offer)の留意点

テンダー・オファーを行う際には、以下のような留意点が考えられます。

  1. 価格設定:株主がオファーを受け入れるかどうかは、提案される価格に大きく依存します。適切な価格を設定することが重要です。
  2. 情報開示:テンダー・オファーを行う際には、適切な情報開示が求められます。不適切な情報提供や隠蔽が発覚すると、企業の信頼が失墜する可能性があります。
  3. 反対派の存在:企業の経営層や主要株主がオファーを支持しない場合、成功の可能性が低くなります。

2. 敵対的なテンダー・オファーを
実行されないための防衛策

買収先の合意を得ずに株式を買い占める敵対的テンダー・オファーを実行されないためには、会社は防衛策を用意しておく必要があります。この防衛策には様々なものがありますが、主なものとして以下の3つを紹介します。

  • ホワイトナイト:敵対的テンダー・オファーが遂行される前に、第三者に株式を大量に購入してもらう方法
  • ポイズンピル:敵対的テンダー・オファーを仕掛けられた際に、自動的に新株を発行できるようにしておく方法
  • ゴールデンパラシュート:経営陣の退職金を巨額に設定しておき、買収に必要な金額をさらに引き上げて、敵対的テンダー・オファー実施者の意欲を削ぐ防衛策

3. まとめ

テンダー・オファーは、企業の成長戦略や再編を実現するための有効な手段の一つです。しかし、成功するためには、株主の期待や市場の評価、さらには関連する法律や規則を十分に理解し、適切な手続きと戦略を取ることが必要です。M&Aを検討する経営者の方々にとって、将来的な成長や事業承継の観点から、テンダー・オファーについての知識を持っておくことは非常に有益であると言えるでしょう。

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監修者プロフィール
M&Aキャピタルパートナーズコーポレートアドバイザリー部長 梶 博義
M&Aキャピタルパートナーズ 
コーポレートアドバイザリー部長
公認会計士梶 博義

大手監査法人、事業承継コンサルティング会社を経て、2015年に当社へ入社。
これまで、監査、IPO支援、財務DD、親族承継・役職員承継コンサル等を経験し、当社入社後はM&Aアドバイザーとして活躍。一貫して中小企業の支援に従事し、M&Aのみならず、事業承継全般を得意とする。

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