M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#66

急成長の半導体商社が
最短で事業拡大をするために選んだM&A

独立系の半導体商社として、世界各国で築いてきた独自のネットワークを活かし、半導体および電子部品を調達。わずか6年の間に飛躍的に業績を拡大してきたヤマヤエレクトロニクス株式会社が、なぜM&Aを進めようと考えるようになったのか。創業社長である山谷一成様に、決断に至るまでの経緯をうかがった。

  • 譲渡企業

    会社名
    ヤマヤエレクトロニクス株式会社
    所在地
    東京都足立区
    事業内容
    半導体商社
    従業員数
    6名
    M&Aの検討理由
    更なる発展・成長
  • 譲受企業

    会社名
    株式会社ヤマシナ
    所在地
    京都府京都市
    事業内容
    ねじの製造
    従業員数
    447名
    M&Aの検討理由
    事業領域の拡大

有言実行の姿勢で新しい商流を築き上げてきた

まずは山谷様が、ヤマヤエレクトロニクス株式会社を創業された経緯からお話しいただけますでしょうか。

ヤマヤエレクトロニクス株式会社 代表取締役 山谷
ヤマヤエレクトロニクス株式会社 代表取締役 山谷 一成様(以下、山谷)

27歳の時、知り合いの紹介がきっかけで半導体業界に足を踏み入れました。もともとは不動産業界に進みたかったのですが、知人からの強い要望に応えるかたちで、半導体の商社で働くことになりました。 入社してから最初に担当したのは、先輩から引き継ぎを受けたお客様だったのですが、引き継ぎを受ける前にあったトラブルから、関係が悪化してしまっていました。入社したてで、半導体のことは何も分からない中、私の一番はじめの課題は、そのお客様との関係の修復でした。1~2カ月は足しげく通い、少しずつ信頼関係を築いてきたあたりから、受注できるようになっていきました。それと同時に、さまざまな企業に飛び込み営業や電話でアプローチするなどして、徐々に自分の顧客を増やしていきました。
そのうち、先輩から引き継いで関係性が再構築できたお客様から、大きな案件をいただけるようになり、徐々に自信をつけていきました。当時の会社全体の売り上げのうち、約半分が私の実績であったと考えています。そこから私は、会社の改革を進めていくことを決断しました。もっと大きなことを言えば、既得権益や世襲制の業界構造に違和感を抱いており、業界を変える決意を固めました。私のそのような姿勢が会社からは煩わしく思われるようになったのでしょうね、23年間勤めた会社を離れることにしました。私が49歳のときです。 退職翌日には、できるだけ早く自分の会社を興そうと決意しました。設立登記の際、口座が必要でしたので、信用金庫に頼み込んで、わずか1週間で開設してもらい、退職から約10日後には会社を設立しました。
会社の出発自体はとても順調でした。前職のお客様が私を慕ってくれて、すぐに取引を始めてくださるようになりました。さらにその1年後、前職の会社が突如倒産してしまい、当時お付き合いのあったお客様が私のところに連絡をしてくださいました。それ以降、事業は順調に展開し、最近の実績では取引先は約600社にのぼります。

御社にはどのような強みが、取引先を600社にまで拡大させたのでしょうか。

山谷
山谷

簡潔に言えば、有言実行の姿勢が評価されたのだと考えています。私は自分にプレッシャーをかけるとアイデアが湧きやすいタイプです。当社は規模が小さいため、他社と同じことをしても勝ち目がありません。たとえ銀行であっても、この有言実行の姿勢に期待して融資を行ってくれたと思っています。現在、主力の画像処理半導体は、私が時代を先取りして商流を築いたと自負しています。全体的な状況を見渡すと、業界全体が好調とは言えませんが、私は市場環境がそのような場合であっても“仕方ない”とは考えません。逆に、そこから脱却するために、他社が取引していない海外メーカーと取引し、まだ誰も知らないメーカーを発掘し、当社が独占的に日本企業に販売できるよう努めてきました。時代を先取りし、他社とは異なる取り組みをしたから、成功を収めることができたのだと思います。

世間に認められる会社になるため、上場を目指していた。

山谷様が独力で顧客を開拓し、拡大してきた会社です。どのようなきっかけからM&Aを意識するようになったのでしょうか。

山谷
山谷

最短で上場したいと思っていました。それは、やはり会社として認められたかったからです。上場企業と非上場企業では、社会からの見え方が全く違ってきます。お客様であれ、従業員であれ、私と一緒に仕事をしている人は、私を信じて一緒にやってきてくれているので、何かをきちんとお返しする義務があります。その方々には後の将来において、“ヤマヤエレクトロニクスという会社と仕事をして良かった”と思っていただきたいので、それに相応しい会社になっていなければなりません。そのためには上場という選択肢がありましたが、数年はかかってしまいます。具体的なアクションは思い浮かばないままでいたところ、M&Aキャピタルパートナーズではない別のM&A仲介会社から連絡が入りました。そのときに、“最短で上場するためにM&Aの話を聞いた方がいい”と思いました。ところが彼らからオンラインで説明を受けたものの、直感で“パートナーはこの人ではない”と感じたのです。

M&Aを進めていくパートナー選びの判断基準はどこにありましたか。

山谷

自分を見ているか、お客さんを見ているかの違いかと思います。いちばんはじめに連絡をくれた会社の担当者は、“自分自身の利益を見ている”と感じました。その後、会うことになったM&Aキャピタルパートナーズの古澤さんは、お客さんのために何ができるかを考えている人だと強く感じました。ただすぐ後から仕事が忙しくなり、積極的にM&Aのパートナー探しをすることなく、“いつかタイミングが来るだろうから、今は目の前の仕事に注力すべき”と考え、保留にしていました。そして7か月ほど経った頃に古澤さんから電話をいただき、まずは会ってみて、話を聞いてみようと思いました。当時は、M&Aキャピタルパートナーズという会社を知らず、テレビCMを見て会社名とリンクしたのは、電話をもらった後のことでした。

ここからはM&Aキャピタルパートナーズの担当者である古澤さんと土井さんを交えてお話をうかがいます。まずはお互いの第一印象をお聞かせください。

山谷

まさか古澤さんが20代だとは思いませんでした。古澤さんの振る舞いから、お若いにもかかわらずうちのような会社をしっかり他の企業へアピールしてくれる能力があると感じました。話し方から歩き方、手の位置やひとつひとつの言葉など、落ち着きと重みがありました。

古澤
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 古澤 凱斗(以下、古澤)

私は前職の証券会社で、約4年間にわたり、数多くの社長とお会いしてきましたが、これまで出会った社長の中で一番、事業を成長させたいという志が高い方だと感じました。初めて会ったときに会社の試算表を目の前に出され「これで上場できますか?」とストレートに聞いてくださったので、そこに向かって一直線に歩みたいのだとすぐに分かりました。社長の思いを感じて、より“協力したい”と強く思いました。
山谷社長の事業拡大や上場にかける意思が強かったので、まずはそれに協力してくれるお相手先を考えました。一方で、5年でここまで会社を成長させてきた社長でしたので、管理体制の構築には手が回っていない印象があり、管理体制のサポートなども合わせてご協力いただけるお相手先が必要だと思いました。

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 土井
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 土井 達貴(以下、土井)

最初にお会いしたときにはベンチャーキャピタル(以下、VC)のような、上場に向けて出資してくれる会社があったら探してほしいという話からスタートしました。“上場したい”という、山谷社長の強い意思が伝わったので、上場方法として単独でいくのか、VCから少額出資をしてもらうのか、またはM&Aで上場会社とグループになるのか、これから上場を目指すグループと一緒になるのか。どれが一番の近道なのかを考えました。社長が納得できる会社が見つかるまで具体的な条件提示をみませんかとお伝えし、どこから手が上がるか見てみましょう、という話からスタートしました。

VCをイメージしていた理由は?

山谷

とくに知識がなかったので、そういうものだと思い込んでいただけでした。VC以外の選択肢があるというのは、お二人の話を受けてその時に初めて知りました。アイデアをいただいた段階で信用していたので、M&Aキャピタルパートナーズのお二人にお任せしようというか、その時点では完全に受け身の姿勢でした。すぐに投資ファンドが7割、上場企業が数社、他は関連会社という割合で、20社ほどの候補が出てきたので、その中から8社ほどに絞っていただきました。ねじ製品メーカーの株式会社ヤマシナについては、一見すると弊社との関連性が見えずお断りすることも考えましたが、土井さんから「まだ情報収集の段階なので、これからの可能性を鑑みて具体的な条件提示まで情報収集してみましょう」と言われ、条件提示の段階で再度じっくり考え直してみたことで、結果的にその会社と一緒になりました。資料を見てもよく分からないので、会ってお話するのが一番いいと思いました。

古澤

山谷社長のご意向を汲んで、8社とトップ面談を設定して、そのうちの5社から意向表明書を出していただきました。

お互いを尊重しながら話を進めていった

どのように観点からお相手先を絞っていったのですか。

古澤

20社近くある中で、投資ファンドが一番多かったのですが、投資ファンドの中でも上場にはあまり積極的でない先も多く、株式を取得しても出口の際は再度M&Aにて株式を売却するという考え方でした。しかしそれでは社長のご意向に沿わないと思ったので、お相手候補先との打ち合わせの際に社長のご意向を伝えて、方向性が合っているかどうかを確認しました。そこで精査した8社と、実際に面談していただく、という流れでした。

山谷

また、山谷社長とはお相手候補先と実際にお会いする前に事前の質疑応答のお時間をいただきましたが、山谷社長はそこでYES・NOだけで終わるのではなく、丁寧にご自身の考え方や背景まで教えてくれたので、そういうところからも事業に対する軸を感じられ、私たちとしても非常に理解しやすかったです。

山谷

8社と面談しましたが、株式会社ヤマシナから意向表明書が出てきたのは意外でした。決定打になったのは、やはり先方が上場しているということです。ご紹介してくれたM&Aキャピタルパートナーズの二人のことも信頼していましたので、もう間違いないだろうと話を進めることにしました。

土井

ヤマシナ様は上場している会社なので、そのためのノウハウが蓄積されており管理体制を構築できる人材もいらっしゃいます。窓口となっていただいた担当の方からも「ヤマヤエレクトロニクス様が売上や業績も拡大を続け、管理体制が整えば親子上場を目指すことも可能、弊社も上場に向けて尽力していきたい」というお言葉をいただいておりました。また、譲受企業であるヤマシナ様としても、ヤマシナの事業の中で半導体事業が第二の柱となりうることを期待されていたこともあり、ヤマヤエレクトロニクス様がヤマシナ様のグループ会社になったとしても、ヤマヤエレクトロニクス様は伸びていく可能性が高いと考えておりました。

山谷
古澤

もともとトップ面談の際に、バックオフィスに課題があることは社長の口から伝えられていました。相手の会社もそれを理解したため、デューデリジェンスに入ったものの、内容を精査すると、やはり管理体制を抜本的に構築しなおす必要がありました。そこで、ヤマシナの当時の管理本部長より、本格的に管理体制を構築するためにヤマヤエレクトロニクスへの転籍を検討しているとご相談いただきました。

山谷

その方は、私に大きな可能性を感じ、わざわざ転籍すると言ってくれたのです。私がその方の人生を変えたことになるので、その人のためにも命をかけてやらなければなりません。M&Aをして、こんなことが起きるとは想像もしていませんでした。

素晴らしいお話です。その方もヤマヤエレクトロニクスの可能性を感じていたということでしょうか?

古澤

最初の段階から、“わずか創立5年で、どうしてこれだけの売上を作れるのか”と興味を持たれていました。その時点で魅力を感じられていましたが、山谷社長との情報交換を重ねていくうちにその理由の落とし込みができてきて、よりリスペクトの気持ちが大きくなったのだと感じました。

土井

デューデリジェンスのときに山谷社長が「絶対に上場したい」という意思を伝えて、それがヤマシナ様に大きく響いていました。しかし会社としては、管理体制を立て直さなければ、ヤマシナ側としてこのM&Aを断るだろうと判断されて、「自分が転籍して整えるので任せてほしい」と言ってくださったのです。

会社だけでなく、個人としても素晴らしいパートナーを得たのですね。山谷社長は今後、どのような未来を見つめていますか。

山谷
山谷

もはや、“やる”以外にありません。諦めなければ絶対に叶うと信じています。それは、今回のM&Aに限った話ではありません。これまでの仕事の中でも思ってきました。“これでいいや”と妥協したくありません。自分や環境に負けたくないと思っています。そして大手企業が長い年月をかけてやってきたことを最短で達成したいです。上場させていただいた際には、応援してくださった投資家の方々にもしっかりとお返しできるようにならなければと、強く思っています。

M&Aキャピタルパートナーズへのご評価をいただけますか。

山谷

終始、譲受企業と譲渡企業のお互いを尊重している雰囲気がありました。その中で私を支えながら同じ方向を向いて進んでくれたと思います。だから、仮にもし成約できなくても、後悔はしないと思えるほどでした。それだけの信頼をしていたので、ダメだったとしても感謝の気持ちは変わっていないと思います。もちろん転籍してくれた方の気持ちに応えたいという思いはありますが、M&Aキャピタルパートナーズの二人がいなかったら成約はできませんでした。本当に感謝しています。

ありがとうございます。最後にM&Aを検討しているオーナーに向けて一言ずつメッセージをお願いいたします。

土井・古澤・山谷
山谷

自分の思いをきちんと肉付けをしたうえで相手の方に伝えられる技術、メンタル、フィジカルを兼ね備えているのは、古澤さんと土井さんしかいないと思っています。この二人にお任せすれば、必ず良いパートナーを見つけてくれることは間違いないと思います。

古澤

本件では山谷社長と同じ方向を見ながら進めることができました。今後のビジョンがしっかりされていて、心から応援したくなる、巻き込む力もおありです。また、向かっていきたい方向も分かりやすいので、理解しながら物事を進められました。社長の思いがあったからこそ、的確なアシストができたと思っています。VCに出資いただき上場することもひとつの正解だと思いますが、その他にも正解になり得る選択肢がたくさんあるということを提示できたのは本当に良かったと思います。事業の拡大や事業承継にもたくさん方法があります。M&Aにもさまざまなパターンがありますので、それらを比較検討しながら、後悔がないようにこれからのことを考えていただきたいと多くの経営者の方にお伝えしたいです。

土井

山谷社長は素直にご自身の上場への熱い思いを伝えていただけました。そのためのベストな方法を一緒に模索していった結果、最終的に心からご納得できるお相手が見つかり、そして当時の役員である管理本部長が転籍してくれるという運命的なことが起きて成約に至りました。赤裸々に話してくれたからこそ、私たちも山谷社長のために全力で動こうと思えました。同じような悩みを抱える経営者にもぜひ、私たちに思いをぶつけていただき、一緒に解決していけたらと思っています。

(左から)弊社 古澤、山谷様、弊社 土井

(左から)弊社 古澤、山谷様、弊社 土井

文:伊藤 秋廣  取材日:2023/08/29

担当者プロフィール

  • 企業情報部 主任 古澤  凱斗

    企業情報部主任古澤 凱斗

    大学卒業後、大手証券会社に入社。主に個人富裕層や法人に対して資産運用、M&Aのアドバイザリー業務に従事。
    家業の事業承継問題をきっかけにM&A専門のアドバイザーとなることを決意し当社へ入社。
    メーカー、商社、IT業界、自動車業界等、幅広い分野にてM&A支援実績を有する。

  • 企業情報部 課長 土井 達貴

    企業情報部課長土井 達貴

    大学卒業後、大手証券会社に入社。主に法人や経営者、富裕層に対して金融商品を活用した資産運用、M&Aのアドバイザリー業務に従事。複数回の社長表彰を経て、大手M&A仲介に転職し、M&A業務に専念。経営者により一層寄り添いながら、最も役に立てる人材になりたいという想いから当社に参画。
    IT関連、建設関連、産業廃棄物関連、商社関連、人材派遣、建機リース、半導体、メーカー、ガソリンスタンド等の企業成長型のM&A戦略や事業承継等のご相談での幅広い分野にてご支援の実績を有する。

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