M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#80

小坂 臼井
小坂 臼井

半導体産業を支えるメーカーの新たな挑戦。
互いの「技術」への尊重から生まれたM&A

半導体製造機器や半導体検査機器、並びに理化学機器などの開発、製造を行う株式会社TCK。卓越した技術力を有し、長きにわたり日本の半導体産業の根幹を支えてきた同社は、2024年、京西テクノス株式会社へ、株式譲渡によるM&Aを行った。M&Aに至るまでの経緯やこれからの思いなどについて、株式会社TCKの代表取締役 小坂 光二 様、取締役 開発部部長 大江 隆 様、京西テクノス株式会社 代表取締役社長 臼井 努 様に伺った。

  • 譲渡企業

    会社名
    株式会社TCK
    所在地
    福岡県福岡市
    事業内容
    医療業界・半導体業界向けの精密装置、電子顕微鏡などの理化学機器や真空装置などの設計・製造
    資本金
    2,000万円
    従業員数
    10名
    M&Aの検討理由
    更なる成長発展のため
  • 譲受企業

    会社名
    京西テクノス株式会社
    所在地
    東京都多摩市
    事業内容
    医療機器・計測機器・情報通信機器分野でのメンテナンス事業、計測機器の校正事業など
    資本金
    8,000万円
    従業員数
    429名(2024年4月1日現在)
    M&Aの検討理由
    半導体市場への進出のため

日本の半導体産業の復権を目指して

まずは、小坂様が株式会社TCKを創業された経緯からお話しいただけますでしょうか。

小坂
株式会社TCK 代表取締役 小坂 光二 様(以下、TCK 小坂)

元々は、半導体の製造装置のメーカーに勤務していました。半導体の製造には前工程と後工程がありますが、私は前工程の開発用装置の技術開発に従事していました。1980年代から90年代にかけて、非常に浮き沈みの激しい業界の中、会社員として自分の立ち位置を模索してきましたが、突如、転機が訪れます。1999年、文部科学省が推進する地域結集型共同研究事業のメンバーに抜てきされ、会社に勤務しながら、国家プロジェクトの研究員として、半導体の工場が集積する熊本に行くことになりました。

与えられた目標は「半導体に根付いた産業を現場で解決する」というものです。現在、半導体事業の工場は、残念ながら日本にはほとんどありませんが、当時は全世界の工場の約11%が九州に集積していました。しかし“本社が東京で、工場が九州”という状況では自発的な技術開発が進まず、周辺他国に後れを取ってしまう危険性がありました。そこで工場が自立しながら、計画性を持った技術開発ができるよう、工場の自発的な技術開発を磨いていこうという取り組みを主目的としたプロジェクトでした。

プロジェクト終了後には研究事業の成果を地域に還元するという大目的がありました。目的達成のために5年間の研究事業を終えた後、これまでの研究成果を、そのまま熊本で事業化し、学術研究用の電子顕微鏡などの理化学機器や真空装置、半導体検査や精密測定機器の設計製造、関連ソフトウェアの開発を生業とする会社を設立しました。

起業後、会社経営は順調に推移しましたか。

TCK 小坂

残念ながら、いきなり苦戦を強いられることになりました。折しも、会社設立直後の2005年当時は半導体産業の海外流出が激しさを増していた時代です。日本の半導体製造産業の屋台骨が揺れている状況で、熊本でも工場の統廃合が相次でいました。そのような状況では、熊本に残っていても事業の将来展望は見えてこないので、福岡に所在する開発系民間企業の技術担当役員として就任し、TCKとしての活動は一旦休眠させ、その企業での研究成果の事業化を推進しました。その際、専門性の高いメンバーが必要となり、技術スタッフに応募してきたのが後々にはTCK役員として事業参画することとなる大江君です。その企業での6年間の事業化活動の後、2012年にTCKを再スタートしました。

大江
株式会社TCK 取締役 開発部 部長 大江 隆 様(以下、TCK 大江)

私はグループリーダーとして、製品の立ち上げに関わりました。福岡に移転してからの5年の間、私たちはTCKの事業をもう一度復活させたいと考え、販売先を広げていこうと奮闘しました。

TCK 小坂

半導体産業を復権させるため、従来の工場だけでなく、我々と同じ規模の会社や、もう少し大きな事業規模の中小企業と共同で新しい市場開拓を進めました。その頃、国内に残っていたのは半導体産業の中でも、製造ではなくインフラビジネスだけでした。ですが、半導体製造装置については、日本は世界で圧倒的な技術を持っていました。この技術は、半導体に関わるさまざまな現場、特に海外から多く引き合いがあり、唯一無二の技術集団として認識されるようになりました。

“モノ作り”を理解する担当者に託した

M&Aキャピタルパートナーズと出会ったのは、どのようなきっかけだったのでしょう。

TCK 小坂

海外から引き合いが多いのは経営的にはありがたいのですが、その一方で、国内産業の衰退に対する危惧も生じます。このままではいけない、我々自身がさらに“国内で強くならなくてはいけない”と考えていました。そのため、会社をある程度の規模にするためにベンチャーキャピタル(新興企業や成長企業に投資する投資会社やファンド)と組んで、上場後、イグジットを目指そうと考え協議を重ねたのですが、理想とする事業モデルがかみ合いませんでした。私たちはあくまで、半導体の最後のDNAを、どうやって次につなぐかを重視していたのですが、ベンチャーキャピタルから理解を得ることが難しかったのです。

そんな協議を重ね、進むべき道を模索しているうちにコロナ禍に巻き込まれ、事業そのものの売り上げが落ちていきました。この状況を打破すべく、別の方法を考えていく中で、M&Aという選択肢が浮かび上がってきました。“自分たちのDNAを残す”という目標を遂行するために、国内で事業を共にしてくださるお相手を見つけ、さらに事業を大きくできる話があるならばM&Aが最善だと考えました。要するに、海外投資、ベンチャーキャピタルからの資金調達を検討した後、M&Aの検討という風に、考えが変わっていったのです。そんな時に、M&Aの仲介会社4社から立て続けに連絡があり、情報収集の一環として、全ての会社の方と会うことにしました。その中のひとつがM&Aキャピタルパートナーズでした。

連絡があった全ての仲介会社とお会いされたのですね。

TCK 小坂

そうですね。お話を聞いたうえで、M&Aキャピタルパートナーズにお願いしようと考えました。決めたポイントは、担当者の姿勢でした。言い方は悪いかもしれませんが、単にビジネスとして、会社を売って儲ければいいと考えていらっしゃるのか、お互いの会社の思いを共有できる方なのかどうかということだと思います。M&Aキャピタルパートナーズの相澤さんはまさに後者です。第一印象から今に至るまで、一貫して、パートナーとして信頼できる人だと感じていましたが、最初からインパクトがありました。相澤さんは博多駅で転んで、ズボンが破れたまま会社に飛び込んでこられまして(笑)。

TCK 大江

安全ピンで止められていて、TCKのガムテープをお貸ししましたね(笑)。良い意味で他の会社の方より、印象に残りました。さらに、他社と比べて多様な提案をしてくださりました。相澤さん個人の魅力もさることながら、M&Aキャピタルパートナーズという会社としてしっかりされていることが垣間見られる提案でした。

TCK 小坂

さらに私が感じていたのは、相澤さんが“モノ作り”をよく理解されているという点です。そのほうが、私たちと本質的な、良い会話ができますよね。会社のかたちを等身大で理解して、理解した上で提案をしてもらうのは重要です。かたちを見間違えると、提案がずれることもありますからね。そして何よりも目の色が違っていました。他社はTCKをone of them (多くの中の一人として)で見ていましたが、相澤さんは私たちをきちんと正しく評価してくださっていたように感じました。

ここからは、M&Aキャピタルパートナーズ 担当アドバイザーの相澤さん大木さんも交えてお話を伺います。株式会社TCKをご訪問しての第一印象は、どのようなものだったのでしょうか。

相澤
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 相澤 良(以下、M&Aキャピタルパートナーズ 相澤)

初めて訪問した際に工場を見せていただきました。その時、ご説明をしてくださった小坂様の目の色と「未来を変える」というお言葉が印象に残り、技術を将来に承継したいという熱い思いを感じました。そして、その思いに紐づく高い技術力がある会社だということがわかりました。これまで営業活動をしてこられなかったことが課題だとお聞きし、何とかこの技術を、さらに拡大するお手伝いをさせていきたいと素直に思いました。

大木
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 企業情報部 課長 大木 一樹(以下、M&Aキャピタルパートナーズ 大木)

我々はM&Aについてはプロとしてご支援させていただいておりますが、半導体業界のプロではないので、小坂様と大江様との対話を重ねながら、事業を理解し、TCK様の会社の強みや課題を含めて実態を詳細に把握する必要があります。お二人のお話を伺う中で、0から1を生み出す素晴らしい技術力をお持ちである一方、その技術を1から10に広げていくことに課題をお持ちであることが理解できました。TCK様の更なる成長発展に向けて、M&Aが1つの課題解決の選択肢になり得るのではないかと思い、ご検討をスタートいただきました。

どのようなご提案を受けたのでしょうか。

TCK 小坂

お相手の候補として何社かご紹介いただいく中で、当初は我々に似た会社が候補に挙がっていました。しかし、「我々には合わない」とはっきり伝えさせていただきました。M&A後の成功例と失敗例があるかと思いますが、やはり似たもの同士では上手くいかないように感じていたからです。“なかなか良いお相手が見つからない”と思っている中で京西テクノス株式会社を紹介され、そこで一気に流れが変わりました。

私たちは、京西テクノスは「工程イノベーション」を得意とする会社、一方の私たちが得意とする技術開発は、「製造イノベーション」と捉えています。「製造イノベーション」によって、新しいものを作っていくことができますが、作ることをやめた途端に失速します。一方の「工程イノベーション」は、新しく次々に改善提案をすることで、市場そのものを含めて拡大していきます。いわば、「工程イノベーション」は、“動き始めると止まらなくなる事業領域”と言えます。そういった観点から、「工程イノベーション」に強みを持つ京西テクノスと手を組むことで、私たちも飛躍できると感じ、そこからM&A 実行に対する意識が強くなりました。

「技術」にこだわる理想のパートナーが現れた

ここからは、譲受企業である京西テクノス株式会社の代表取締役社長でいらっしゃる臼井 努 様にもご参加いただいて、お話を聞かせていただければと思います。まずは貴社の事業概要からお聞かせください。

臼井
京西テクノス株式会社 代表取締役社長 臼井 努 様(以下、京西テクノス 臼井)

当社は、医療関連、医療機器、医療情報システム、測定器関連、分析器関連などさまざまなBtoB高付加価値製品(既存の製品に対して顧客に価値を感じてもらえるような要素を付け加えた製品)に対するメンテナンスサービスを主体にした会社です。現在はIoT(さまざまな「モノ」をインターネットとつなぐ技術)が主体となっており、あらゆる装置がネットワークインフラにつながっている時代だからこそ、IoTを活用して装置の稼働状況、システムの運用状況をリモートで監視するサービスも提供しています。それによりお客様より先に小さな変化に気づき、未然に大きなトラブルを防ぐことができます。さらに、センサーから取得したさまざまなデータを読み取り、AIでビッグデータを解析するという、予兆診断ができるよう進めているところです。このように新たな技術をいかに取り込み、より事業・業務自体の品質と効率を上げていけるのかを考え、日々改善、開発活動に取り組んでいます。

精密かつ信頼性が求められる業界からの依頼が中心になっていると思いますが、その技術力の原点はどこにあるのでしょうか。

京西テクノス 臼井

京西グループは、昭和21年に創業し、最初の50年間は、日本の高度成長の波に乗り、大手電機メーカーから委託されたさまざまな電気製品の製造を主に行ってきました。しかし25年ほど前から、アジア地域のローコストカントリー(労働力が安価な国々)に仕事が流れ、日本国内の製造が激減しました。その流れの中で、“このままでは事業を続けることは難しい”と感じ、特徴を出していくために何ができるかと考え、メンテナンスサービスに価値を見出しました。モノ作りはいかに安い費用でできるかというコストが最優先ですが、メンテナンスサービスは、スピードと技術力が大切です。このスピードと技術力で他社と差別化できると考え、自らプロジェクトを発足して会社を作ったという経緯があります。

また、メーカーが行うメンテナンスサービスは、そのメーカーの自社製品にだけ対応します。ですが、トラブルは、いつどこで、どのようなタイミングで発生するかわかりません。メンテナンスサービスは、あらゆる変化や故障に柔軟に対応できる変動対応力が求められるにもかかわらず、メーカー間の壁の高さが問題になっていました。

25年程前に、電気メーカー業界において人員削減の波がありましたが、その時に技術者を京西テクノスに受け入れました。技術者たちと一緒に仕事をする中で、京西テクノスの従業員全体の技術力を高めていきました。その結果、なかなか日本では定着しなかったマルチベンダーサービス( メーカーを問わず、あらゆる機器の修理、メンテナンスなどを総合的に支援するサービス)の専門会社として差別化が可能となり、さらに技術力を高め、お客様からの支持を集めるようになりました。

貴社の、M&Aに対する基本的なお考えをお聞かせください。

京西テクノス 臼井

M&Aは、他社と差別化をするために必要不可欠な施策のひとつであると考えています。規模の小さい隙間市場において圧倒的なシェアを誇る我々のようなニッチトップ企業が事業戦略を策定するために、M&Aはとても重要です。日本の企業、特にモノづくり企業においては、コストや価格が差別化になると捉えられがちですが、追求すればするほど苦しくなってきます。私たちは、コストではなく、他社にはないかたちで差別化しようと考えました。そのために事業領域自体の拡大、もしくは事業の深掘りのために、外部の専門の技能・知識・経験を持った方々に参画していただくことが理想です。また、1+1=2を3にも4にもできるビジネスモデルを形成するための時間を、お金で買えるのもM&Aの利点です。我々にはない技術を持っている会社と出会い、いかに相乗効果を生めるかが重要です。

株式会社TCKの情報をご覧になったときに、どのように感じましたか。

臼井
京西テクノス 臼井

国策として半導体産業に注力することを知った時、我々も半導体領域のサービスにも参入していきたいと考えました。TCKは半導体産業ど真ん中ですし、弊社にはない素晴らしい技術を持っている会社で、まさに私たちの思いに合う会社だという印象を持ちました。

直接、経営者の方々とお会いしてお話をし、現場を見させていただく中で、さらに“この会社とご一緒したい”という思いは強まりました。何よりも印象的だったのは、「技術」にこだわり、「技術」に特化している点です。とても熱く自社の技術について語っていて、社長以下、役員従業員の皆さんが本当に素晴らしい技術者という印象を受けました。一緒になった後も社長自らが会社を引っ張り、技術を次の世代に残していきたいとおっしゃっていて、その考え方に我々は強く感銘を受けました。

TCK 小坂

私も臼井社長に対して同じ印象を持ちました。我々の技術を、一緒に育てていくことを真剣に考えてくださる会社であり、経営者だということがすぐにわかりました。そして何よりも「技術」というたった2文字の漢字ではありますが、しっかりとそこにこだわっていらっしゃることもわかりました。この「技術」という言葉は陳腐化されてはいますが、大切な言葉です。私が理想としていたパートナーにやっと出会えたような気がしました。

TCK 大江

臼井社長や幹部の方々が弊社に来られて、私たちの説明を聞いてくださった時の受け答えの熱量が、他社に比べて圧倒的に高かったのは確かです。お話をしていて、とても気持ちが良く、その時点で私も“ご一緒できたら”と思いました。

お互いの第一印象の良さが、そのままスムーズな成約へとつながったのですね。成約された時の率直なお気持ちをお聞かせください。

小坂
TCK 小坂

我々の事業規模では、受注したくてもできずにお断りをしなくてはならない仕事がこれまでにいくつかありました。お客様からご指名でご要望いただいたことをお断りするというのは、事業を起こした身からすると大変恥ずかしいことです。これからは、京西テクノスと力を合わせることでしっかり対応できるようになるというのが、私の中で最もわくわくしている部分です。

TCK 大江

どんなに良い技術があったとしても、それが世の中に出ていかなければ意味がありません。自分たちだけでやれることには限界を感じていましたが、力強いパートナーを得たことで、しっかり世の中に対する責任を果たしていけるのではないかと感じています。

今後の目標をお聞かせください。

京西テクノス 臼井

我々と一緒になることで可能になることがあれば、思いっきり挑戦していただきたいと思っています。挑戦して具現化する過程において、また新たな可能性が見つかるものだと思っています。これから小坂さん大江さんと、京西テクノスのモノづくり拠点である郡山の現場を見に行くことになっています。2社が協力して取り組むことの共有ができればと考えています。具体的にはTCKが設計開発したものを京西テクノスの工場で作り、そして作ったもののアフターサービスまで一貫して対応するという流れを、しっかりと作っていけたらと考えているところです。

また京西テクノスにも弱小ながら開発部隊があるのですが、TCKの技術を学ぶことで、これまで外部に委託していた業務を、内製化していこうという考えもあります。TCKは、半導体だけではなく医療・分析機器などの事業領域にも活用できる高い技術力をお持ちなので、一日でも早く、ご一緒して力を合わせていきたいという思いが強く湧き上がっているところです。

TCKの従業員の皆様にも、京西テクノスと一緒になったらさらにチャンスが広がると感じていただき、その思いにしっかり応えていきます。京西テクノスは年に4回、全国の社員を集めて全社会議を行っていますが、2024年4月には、TCKの皆様にも参加していただき、全社員に紹介して一体感を醸成したいと思います。そのような横の連携が、1+1を3にも4にもしていく近道にもなると確信しています。

“早く一緒になりたい”という思いに応えてくれた

M&Aキャピタルパートナーズはどのようにお役立ちになったでしょうか。

TCK大江

偶然、同時期に4社ほどのM&A仲介会社から連絡がありお会いしましたが、「ライオン社長」のテレビCMが印象的なM&Aキャピタルパートナーズだけ、元々存じ上げていました。実際に担当者にお会いしてみると、高い提案力があるという印象を持ちました。他社とは提案の厚みがとても違いました。表面的ではなく私たちに寄り添い、親身になって考えてくださっていることがわかる内容になっていましたし、相澤さん、大木さんは、応答や返答がとても早く、大変気持ちよくお付き合いをさせていただけました。

TCK小坂

私は、基本的に論理が3割、直感が7割で動く人間ですので、どんなに理詰めで進めていても、最後は心が動かなければ前に進みません。相澤さん大木さんは、しっかりとした論理で提案をしてくださりましたし、それだけでなく、何かが生まれそうな予感と言いますか、我々自身が求めるものをきちんとかたちにしていただけるような期待が持てました。その直感が正しかったということですね。

臼井
京西テクノス 臼井

確かに、相澤さん、大木さんにはスピード感を持って対応いただきましたね。最初にお話をいただいてから成約まで、たった3カ月でまとまるとは思ってもいなかったです。“早く一緒になりたい”という私たちの気持ちを満足させる仕事ぶりでした。大変感謝しています。

ありがとうございます。最後にそれぞれのお立場から、読者である経営者の皆様にメッセージをお願いいたします。

小坂
TCK小坂

終始一貫して持ち続けていたのは、“TCKを理解してくれる人と一緒にやる”という思いです。舟にたとえると、“一緒に漕いでくれるパートナーを選ぶ”イメージでした。自分たちの持っている技術は、これからの日本の産業を支えていくであろう若い人たちに役立つことは間違いないものだと確信していますので、残し伝えたい、そして一緒に大きくしていきたいと考えていました。また、大きくした後、その技術を守っていけるような砦が欲しいとも思っていました。M&A は、まさにそんな私の思いを具現化してくれる最適な手段であったと確信しています。

京西テクノス 臼井

会社同士が一緒になるということは、譲渡する側と譲り受ける側、事業規模の大小は関係なく、一緒に夢を見て、共に具現化することだと思っています。今回、ご一緒してくださった経営陣や従業員全員が後になって振り返った時に、“一緒になって良かった”と思ってもらえるような結果を出すのが私の役割だと自覚していますので、それを有言実行していくのみです。

M&Aキャピタルパートナーズ 相澤

TCKには“営業力を強化していきたい”という課題がありましたが、「ただ営業力が強いだけでは何の意味もない」というお話もされていました。そのようなTCKに京西テクノスをご紹介したとき、「メンテナンスをやっていると技術の深い部分に紐づいた提案ができる。京西テクノスとは素晴らしい連携ができそうだ」というお言葉をいただいたのを今でも鮮明にと覚えています。とても素晴らしいご縁組みができたことを担当者として、大変光栄に思っています。一旦、私の役割は終わりましたが、これからのご両社の発展を心から応援しています。

M&Aキャピタルパートナーズ 大木

日本の半導体業界を後押しするようなご縁組に立ち会えたことを大変嬉しく思っています。TCKの技術力を求めて大手企業含めた優良クライアントから様々な案件の依頼が来ています。TCKから、「一緒に取り組みを進めながらOJT(職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、実際の仕事を通じて指導し、知識、技術などを身に付けさせる教育方法のこと)で若手を成長させていこう」というお話をされたとき、「いままでやっていたわけではないので、いきなりできるだろうか」と京西テクノスがコメントされていました。それに対し「だからこそやるのです」「OJTで、メンバーを育てるんです」と、TCKがとても力強いお言葉で返されていたことが印象に残っています。

結果的に、このM&Aは京西テクノスやTCKだけでなく、業界全体の話として、日本の若手が半導体という領域を下支えしていくという明るい未来づくりのきっかけになったと感じていますし、この素晴らしいご縁組みの支援ができたことを大変光栄に思っています。


(左から)弊社 相澤、大江様、小坂様、臼井様、弊社 大木

文:伊藤 秋廣  写真:小野 綾子 取材日:2024/3/11

担当者プロフィール

  • 企業情報部  相澤 良

    企業情報部相澤 良

    新卒で大手金融機関に入社。建設業界、運送業界、IT業界を中心に中堅・中小企業の法人営業の業務に従事。その後中堅中小企業の更なる成長発展に尽力していきたいとの思いからM&Aキャピタルパートナーズに参画。
    当社入社後、建設業界や製造業を中心に幅広い分野にてM&A支援実績を有する。

  • 企業情報部 課長 大木 一樹

    企業情報部課長大木 一樹

    • 公認会計士

    公認会計士試験に大学在学中に合格後、大手監査法人、外資系コンサルティング会社に入社。
    大手企業に対する会計監査や経営コンサルティング業務に従事。
    その後、世の中を支える中堅中小企業の発展と継続に、より一層寄与したいという思いから、M&Aキャピタルパートナーズに参画。
    当社入社後、製造業からITベンチャーまで幅広い分野にてM&A支援実績を有する。

ご納得いただくまで費用はいただきません。
まずはお気軽にご相談ください。

秘密厳守にてご対応いたします。

お電話でお問い合わせ
TEL.0120-810-000

まずはお気軽にご相談ください

※秘密厳守にてご対応いたします。

お電話でお問い合わせ 0120-810-000
WEBで無料相談

関連事例

M&Aキャピタル
パートナーズが

選ばれる理由

私たちには、オーナー経営者様の
決心にこたえられる理由があります

納得の料金体系

着手金や月額報酬を
いただくことなく、
お相手企業と基本合意にいたるまで、無料で支援いたします。

安心の専任担当制

検討初期から成約まで
オーナー経営者様専任の
アドバイザーが
寄り添います。

信頼の東証プライム上場

東証プライム上場の信頼性と、独自のデータ基盤の活用により、ベストなマッチングをご提供。