M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#67

株式会社トライネットホールディングス 取締役会長 小木曽 逸夫
株式会社ナカノフドー建設 
経営企画部長 黒田 英一
株式会社トライネットホールディングス
取締役会長
小木曽 逸夫

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株式会社ナカノフドー建設
経営企画部長
黒田 英一

地域インフラを支える優良企業を未来へとつなぐM&A

長野県飯田地域で長年建設業を営んできた3社の合併により誕生した株式会社トライネットホールディングス。創業以来、一般住宅や福祉施設などの建築工事から、道路や治山など災害に強い土木工事まで、高い技術力を活かした多彩な事業を展開してきた。確かな実績と信頼を積み重ねてきた優良企業が、なぜM&Aを決意することになったのか。会長である小木曽逸夫様、社長を務める折山和士様、譲受側の株式会社ナカノフドー建設 経営企画部長 黒田英一様に、これまでの経緯と未来についてうかがった。

  • 譲渡企業

    会社名
    株式会社トライネットホールディングス
    所在地
    長野県飯田市
    事業内容
    総合建設業、不動産事業、リフォーム事業等
    資本金
    8,100万円
    従業員数
    74名
    M&Aの検討理由
    企業の成長と発展のため
  • 譲受企業

    会社名
    株式会社ナカノフドー建設
    所在地
    東京都千代田区
    事業内容
    国内建設事業、海外建設事業、不動産事業
    資本金
    50億6,167万8,686円
    従業員数
    1,315名(連結)
    M&Aの検討理由
    事業ポートフォリオの拡充

将来を先読みし、地元の建設会社3社が合併

まずは、株式会社トライネットホールディングスの創業経緯からお話しいただけますでしょうか。
オルト
株式会社トライネットホールディングス 取締役会長 小木曽 逸夫(以下、小木曽)

平成7年に地元の建設会社3社が合併し、社名も新たにトライネットとして設立した会社です。3社は特に縁戚関係ではなかったのですが、今後、20~30年先を考えると、当時の技術力や経営規模では限界がくるのは間違いなく、そういった危機感を持った会社同士、偶然にも営業エリアが被っていなかったので、合併しようと生まれました。

オルト

当時は、業界においてもレアケースだったと思います。私たちは公共事業を主体としているので、受注はすべて入札で行われますが、3社が1つになると入札の機会が単純に3分の1になるという問題もあり、特に地方の建設会社の合併は難しいと言われていました。確かに、その点については危惧したのですが、発注者にご相談させていただく中で「これからは建設会社同士の合併が一般的になっていきます。協力するので積極的にやってほしい」と背中を押していただきました。おそらく業者を再編して整理してほしいという意図があったのでしょう。当時の国土交通省も合併を推進していました。
一方で、従業員のなかには抵抗する声もありましたし、同業者の間で「できればやめてほしい」という雰囲気があったのも確かです。しかし私たちは、合併のメリットとして営業エリアの拡大と、技術者を結集し技術力の向上が期待できると考えていました。また、経営規模が大きくなれば財務的にも安定します。また、合併前はそれぞれ同族会社としての色合いが強かったため、その同族色を排除し本来の民主的な経営を追求していけるという気持ちも大きくありました。

新たにトライネットが発足し、意図した通り、事業は順調に伸びていったのでしょうか。
小木曽

発注者の協力もある中で、受注に関しては計画通りに推移しました。しかしそれぞれの会社の企業文化は当然違うので社内で壁ができてしまい、なかなか1つの企業になりきれませんでした。その課題を解決するために、無理をして本社屋を建てて、従業員たちに“ここが中心だ”とアピールすることにしました。また、当時はインターネットが普及し始めた時期で、私たちも全社員にパソコンを貸与し、コミュニケーションを取るためにメールを使用したりグループウェアを導入したりしながら一体感の醸成に力を入れました。旧3社のトップ3人ともが新しいことにチャレンジし、会社を良くしようと考えていました。
また、ISOのような品質保証のシステムを導入し、意識だけでなく物理的にもひとつの会社として機能するようにしました。しかし現実的には、それだけでは足らず、思うようにいかない時期が続きました。

折山さんが入社した当時、会社はどのような状態にありましたか。
オルト
株式会社トライネットホールディングス 代表取締役社長 折山 和士様(以下、折山)

私が入社したのは、トライネットがさらに別の住宅を専門とする会社と合併した平成12年のことです。前職は地方公務員として土木関係の仕事をしていたのですが、発注する側と作る側では正反対。“これからは作る側”と認識を新たにして仕事をはじめました。もともとは3社が合併して生まれた会社だと聞いていましたが、実際に入社して“まだしっかりとしていない”と感じました。前職はしっかり組織が出来上がっていたので、違いを感じていましたが、入社時から「これから作っていく会社である」と聞いていたので、自分がどのように関わるべきかを考えようと思っていました。

オルト
小木曽

合併して少しでも大きな会社にすれば何とかなると思っていたのですが、実際には思うようにいきませんでした。今思えば、合併を目標としてしまっていたので、その先はどうしたいのかを見つけられなかったのです。そこからは、ただひたすら必死になって世の中の変化に合わせて会社を変えていきました。維持するのに精いっぱいという感覚です。手ごたえを感じるようになったのは、当時、田中康夫さんが長野県知事になられて、入札制度の改革を進められたタイミングでした。それまでは通常の指名競争入札だったのが、ほとんどの工事が一般競争入札に変わっていきました。その改革によって、安い金額でなければ受注できないという非常に厳しい状況になりました。そのままでは会社が潰れてしまうので、価格競争力をつける必要が生じました。
建設業には施工管理を主体にしている会社と、実際に施工する会社があります。トライネットには施工管理の部署と実際に施工する部署があったのですが、それでは生産性が高まらないので、施工管理の会社と実際に施工する会社とに分ける必要がありました。そこで、施工管理に特化した会社と実際にモノづくりをする会社に分割し、生産性を高めることにしました。そのときに今のホールディングス制度を導入しました。その成果が徐々に出てきて、厳しい環境でもやっていける自信がつきました。

折山

会社分割の際に、私はモノづくりの会社を担当しました。各社に分散していた作業員をひとまとめにした会社を作り、小木曽会長とともに10年ほど経営に携わりました。各社の作業員を集めることで会社の一体感が醸成されるという期待がありましたが、それなりに苦労はしました。しかしその苦労があったからこそ、今があると思いますし、私自身、大きなやりがいも感じ“これが民間なんだ”とも思いました。

 

リニア誘致の恩恵を得るには建築の技術が不可欠

小木曽様、折山様がリードしながら成長させてきた会社です。どのようなきっかけからM&Aを意識するようになったのでしょう。
小木曽

当初は、社内で育成すれば後継者は見つかるだろうと甘く考えていました。しかし、実際にはほとんどが現場の技術者で構成されているため、将来的に経営を担える人材が育っていませんでした。私も折山もだんだん年を取っていき、若手にバトンタッチをすることは不可能ではないが重く感じるのではないかと思うようになっていきました。“外部から人材を呼ぶ”という選択肢もありましたが、それよりはもっとしっかりとした経営力や営業力、技術力がある人にバトンタッチする方が、将来的に役員や従業員の幸せにつながると考えました。
また、もともと同族会社の集まりなので、株主が多い時には50人ほどに膨れ上がっていたという問題もありました。役員持株会を作って集約しようと思いましたが、それでも20人ほどは残っていました。それぞれの創業家の親族が多いので、将来的に会社のリスクにつながる不安もありました。株主と会社が訴訟ばかり起こすことは避けたいので、整理するためにもM&Aは有効な手段ではないのかと考えるようになっていました。

オルト

というのも、M&Aキャピタルパートナーズと出会う前、過去に何度か譲受側としてM&Aの情報を収集していた時期がありました。良いお話があれば譲り受けようと思っていて、いくつかの仲介会社と話をしていました。情報収集をするにつれ、“譲り受けることもあるのだから、自社を譲渡することもあるな”と思うようになりました。譲受側としてだけでなく、自社をどなたかに見ていただくという選択肢もあると、仲介会社と話をする中で考えるようになっていました。
もちろん、同時に会社の基盤を強固なものにすれば、まだまだ発展できるという目論見もありました。それは飯田地区にリニアが開通することで、当然私たちにも恩恵があるだろうという考えがあったからです。私たちは平成7年に合併するまでは3社とも土木専門の会社で、合併後に建築の仕事を始めました。そのため比較的建築の歴史が浅く、地域の中でもブランド力が低いため受注に苦戦していました。リニアは街を大きく変える可能性を秘めていますが、街づくりを進めるには建築の技術が必要不可欠です。我々にはまだ、地域の街づくりを担っていけるほどの力がないので、建築の強い会社に後を引き継いでほしいという思いがありました。やはり内製を進めようと思っていたので、専門の工事業者と合併すれば自社の強みになると考えていたのです。要するに、“我々の課題は、他社を譲受することだけでなく、自社を譲渡することでも解決できる”と思ったのです。

オルト
折山

私もM&Aは有効だと思っていました。事業拡大のためには他社と手を組んで、仕事をしやすくする必要があります。後継者のことを考えると、小さな会社であれば、後継者になれる人もいると思いますが、それらが集まって大きな企業体になってしまうと、経営力がある人でなければ会社の運営は難しいですよね。

小木曽

そうなんです。そもそもの問題として、他社を譲り受けたとしても、経営管理ができる人材がトライネットにはいません。経営を担う人材不足を痛感していたのは確かです。

ここからは、担当の本林さん、須田さんも交えてお話をうかがいます。まずはM&Aキャピタルパートナーズ株式会社との出会いからお聞かせいただけますでしょうか。
小木曽

後継者の問題に悩んでいた時、多くの仲介会社からダイレクトメールが来ていました。いろいろな会社と会ってみるのが大事だと思ったので、M&Aキャピタルパートナーズにもお声がけをして来社していただきました。2人とも若く、自信に満ち溢れている方がいらっしゃって少々驚きました。その時は、まだM&Aを実行するかどうかも分からなかったので、着手金が不要というのも魅力的でしたし、お二人の様子を見て“担当者の若さに賭けてみよう”と思いました。「大丈夫、任せてください」と言われ、直感的に“信じてみようかな”という気持ちになりました。また、M&Aキャピタルパートナーズは他社とは違い、個人ではなく、チームで動いているという点もよかったです。個人同士では“言った、言わない”の問題が起こり得ると思いますが、2人いると安心感がありました。

折山

他の仲介会社の担当者ともお話をしましたが、他社はすべて担当者が1人で、ゴリゴリ話を進めてくる人ばかりでした。その中でM&Aキャピタルパートナーズはたいへん、紳士的だと感じました。

ご担当のお二人は、どのようにお役に立てると考えたのでしょうか。
オルト
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 本林 龍磨(以下、本林 )

はじめてお会いする際は、どのようなお考えで面談の機会をいただいたのかも分かりませんので、あくまで情報提供の一環として、お会いさせていただき、“M&Aという選択肢が、課題解決の方法のひとつになり得る”とお伝えさせていただきました。
お話を聞いて、平成15年頃に合併の選択肢を取られているというのはとてもレアケースで、先見性がある方だと感じました。柔軟に業界環境を見据え、どのような経営に舵を切っていくのかをよく考えていらっしゃるという印象を持ちました。

オルト

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 須田 真和(以下、須田 )

限られた公開情報を元に面談の準備をするうえで、沿革をさかのぼると合併を繰り返していらっしゃったので、小木曽会長がおっしゃるように、譲渡も譲受もどちらもあると思いました。フラットな状態で面談をさせていただき、今後のリニアの問題や会社を伸ばしていく思いをお聞きすることができました。M&Aキャピタルパートナーズの事例でも、成長戦略を描く上でのM&Aは増えていますし、業界的にもお手伝いが増えていたので、そういった事例をお伝えしながら譲渡への検討も深めてほしいと思い、候補先のご紹介に進めたらよいのではないかと考えていました。

当初は“聞くだけ聞いてみよう”と思っていたところから、M&Aを決意することになった一番のきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
小木曽

具体的に候補先企業をご紹介いただき、実際にトップ面談をするとなったときですかね。直接会うとなると、それなりの覚悟をしなければなりません。正直言って、それまでは成り行きを見ているような感じではありました。

 

担当者の手厚いサポートで複雑なデューデリジェンスを乗り切った

ここからは、譲受企業である株式会社ナカノフドー建設の黒田様にも参加いただいて、お話を聞かせていただければと思います。まずは株式会社ナカノフドー建設の事業のご紹介、およびM&Aに対する基本的なお考えからお聞かせください。
オルト
株式会社ナカノフドー建設 経営企画部長 黒田 英一様(以下、黒田)

ナカノフドー建設は今年で創業90周年を迎える会社です。関東をメインとしていますが、全国展開はもちろん、早くから海外事業を手掛け、今では5か国で展開しています。事業内容は一般的なゼネコンとは違い、建築をメインとしています。しかし、数年前から社内で“土木事業も伸ばすべきではないか”という議論を交わしてきました。中期経営計画を新たに策定したのですが、そこで創業100周年に向けて、今後、伸びしろがある土木事業と海外事業を伸ばしていくことが決まりました。土木事業に力を入れていくにはどうすべきかを考えましたが、我々の土木部は人数が少なく、伸ばしていこうにも実際に人手が足りません。人がいなければ売上も上がりません。土木を伸ばすのは長期的な目標ではありますが、早い段階で目に見える成果がほしいと考え、M&Aを検討し始めたという経緯です。

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社との出会いについて教えてください。
黒田

いろいろな仲介会社とお会いさせていただいていましたが、M&Aキャピタルパートナーズは、面談時の印象がとても良かったのを覚えています。着手金不要など良心的な仕組みもさることながら、直感的に可能性を感じました。経営者のためを思って提案してくれると感じたため、M&Aキャピタルパートナーズと組めば上手くいきそうだと思い、検討を進めることにしました。

須田

ナカノフドー建設様からはすでに会社を土木事業に強みを持つ企業を譲り受けたいという意向を伺っていました。中期経営計画に土木事業を強化したいとある中で、ナカノフドー建設はこれまでM&Aを経験されていませんでした。中堅企業が中小企業をM&Aする事例も増えているので、そのお手伝いができればと考えていたのです。

オルト
本林

小木曽様からは、どこにビジネスチャンスがあるのかを伺っていました。例えば舗装工事やのり面などの特殊土木という、現状ではないリソースを内製していくということや、土木事業に比べると建築事業が弱いという課題があることを把握しました。そうしたお話から建築事業が強い相手が良いといった全体像が見えてきたので、そのビジョンを現実にできるようなノウハウを持っている相手先をご紹介したいと考えていました。

お互いにどのような印象を持ちましたか。
黒田

資料を拝見して優良企業だと思いました。財務内容がしっかりしていましたし、有資格者も多く在籍していました。40歳代の社員が多かったので、トータルで見て可能性があると感じました。信頼できる会社で、話を進めたいというポジティブな印象を持ちました。

オルト
小木曽

ナカノフドー建設の名前は知っていましたが、実際にどのような会社なのか詳しくは知りませんでした。しかしトップ面談で経営陣と初めてお会いした時は温かみがあり、また、自分たちに近いものを感じて親近感を持ちました。私たちは地方の小さな企業なので、大企業と聞くと上から目線で接せられるのかと思っていましたが、全く違いました。

折山

建築主体のゼネコンだったので、その点で理想的なお相手だと思っていました。大島副社長も温和な方で良い印象でしたし、話しやすい方でした。


黒田

副社長である大島がトライネットの企業概要書を見て、早くから合併を選択し成長してきたという経営センスを評価していました。そのため、最初の段階から良い印象をもっていたのは確かです。さらに、大島は地域に根付いて仕事ができている点も評価していました。小木曽様も折山様も、誠実な人柄がにじみ出ていました。私たちもM&Aが初めてだったので、安心できると思いました。ナカノフドー建設は、不動建設からナカノコーポレーションが営業譲渡を受けて合併して誕生した会社ですが、実は私たちも同じように、二つの会社の文化を一つに統一していくには、時間がかかるという経験をしています。そのため、M&Aをするなら最初からお相手の人柄や人間関係を重視したいという意向もありました。

小木曽

お会いする前の段階で、建築事業を主体としている点と、経営規模が大きいので安心してお任せできる点、経営も安定している点で素晴らしい会社だと思っていました。実際にお会いしてみたら人間性も素晴らしい方々だったので、他にはない縁組だろうと感じていました。

本林

トップ面談は、両者が初めて会う機会なので、比較的緊張感のある場になりがちですが、トライネットホールディングスは資料もしっかりとまとめてくださり、自社の沿革や事業内容が伝わるように準備をしてくれていました。ナカノフドー建設もみなさん話しやすい雰囲気を作ってくださり、議論ができたことが大きかったと感じています。

以降は、スムーズに話が進んでいったのですか。
オルト
小木曽

デューデリジェンスで膨大な資料を要求されたので、その対応が正直、大変でした。しかしM&Aキャピタルパートナーズが間に入ってくれて、黒田様たちの本音なども聞き出してくれていたので、非常に安心しながら進めることができました。

本林

デューデリジェンスは、会社の沿革を最初から見ていく作業なので、そもそも時間もかかって大変です。また、会社数が多いほどに用意する資料が増えるという特性もあります。トライネットは、ホールディングス化されていて、事業会社がいくつかあるという組織体制だったため、その分、要求する資料はとても多くなってしまいました。

小木曽

本林さんと須田さんは、東京~飯田間を1日に何往復もしてくれそうなくらい、馬力とスピード感がありました。“オンラインでもいいのでは?”と思ったことも何度かありましたが、やはり実際に来てもらえると安心できました。

黒田

私もM&Aが初めてだったので、手厚くサポートしてくれてたいへん助かりました。社内でも初めての経験で警戒している部分もあったので、必要以上に説明を要求してしまったかもしれませんが、面倒くさがらずにしっかり対応してくださりました。担当者の2人が“M&Aが成立すれば絶対に良くなる”と言ってくれたので、それを聞いて自信が持てました。2人は経験豊富だと思うので、それを踏まえてアドバイスしてくれているのだから上手くいくだろうと信じていましたね。

 

地域密着の建設会社が生き残っていく有効な手段

成約時の率直なお気持ちをお聞かせください。
オルト
小木曽

安堵感で力が抜けました。本音を言えばこれを機に退任したかったのですが、引き継ぎ期間だけは頑張ることにしました。これからナカノフドー建設のために力になれるのであれば頑張りたいという思いがわきました。何よりも良い企業、良い経営者にバトンを引き継いでいただき、良かったなと思えました。まったく後悔はありません。


折山

私も安堵しました。しかし、同時に先々を考えると厳しい部分も出てくるとも思いました。大手企業のグループ会社になったので、これまでとは周囲からの見られ方もガラッと変わるのは間違いありません。また、自分たち経営陣の環境もそうですし、社員の環境も変わるかと思いますので、上手くやっていけるのかどうか不安にもなりました。しかし、今回のお話しで新たな強みを獲得することができましたので、その強みを活かしながら、その様々な変化に対応して、成長していけるように頑張るしかありません。

成立した今だからこそ見えるビジョンについてお聞かせください。
オルト
黒田

成約から3か月が経ち、経営に関しては小木曽様や折山様が状況判断をされていて、私にアドバイスをしてくださいます。小木曽様は最初に感じた印象通り、経営者としての感覚が素晴らしいと日々感じているので、まだ退任せず頑張ってもらいたいと思っています。折山様は月に一度の経営会議で現在の状況などをとても丁寧に説明してくださり、その様子や内容を見ていると、今後も堅実に事業を推し進めてくれるものと確信しています。
小木曽様が期待されている通り、建築事業を拡大したいと思っています。トライネットは個人プレーが強く、能力の高い技術者が揃っているので、組織的に上手く機能できれば次のステップに進めると感じています。長期的に考えて、皆さんに納得してもらいながら事業を進めていければと思っています。

M&Aキャピタルパートナーズはどのようにお役立ちになりましたでしょうか。
オルト
黒田

我々の立場を考えて、ニーズを捉えて提案してくれました。両社の立場を考えてくれていると感じられたので、その点でも信頼できました。M&Aは時代の流れにも合っていて必要な手段だと思っています。日本国内はこれからのマーケット拡大は難しく、陣地を取ることで収益基盤を広げていくのが良いと感じています。基盤を一から築くのは本当に大変ですので、すでに基盤が整っているところと連携することが有効です。今後もこの業界内でのM&Aがさらに増えていくと思うので、早いうちから取り組んだほうが案件も選べるのではないかと思います。

折山

担当者の2人は手早く、かつとても丁寧でした。建設業界自体は封建的なイメージがありますが、この地域の中でも何件かM&Aが成立している実情を鑑みると、これから数年はM&Aも増え続けると思います。その時期を過ぎると、M&Aの対象にならない企業が残り、その企業をどう再編するかという問題が出てくるのではないかという危惧もあります。いずれにせよ、黒田さんの言う通り、早めに検討することが大事なのかもしれません。

小木曽

譲渡企業の担当者と譲受企業の担当者がそれぞれ違う仲介会社もあるらしいのですが、M&Aキャピタルパートナーズは同一の担当者なので、先方の考え方がストレートに伝わってきてたいへんありがたく感じました。迂回して入ってくると話が違ってくる場合があるので、その点でもM&Aキャピタルパートナーズのシステムは素晴らしいと思いました。また、企業評価も内製されていて、公認会計士も入ってくれて、安心してお任せすることができました。週に2、3回も長野まで足を運んでくれて、本当に感謝しかありません。

ありがとうございます。最後に、実際に譲渡された小木曽様とM&Aキャピタルパートナーズの皆様から、これからM&Aを検討する経営者の方々へのメッセージをお願いします。
オルト
小木曽

M&Aは合併手続きと違い、実行すると後戻りができません。そのため本当に信頼できて、自分の会社を任せられる相手が見つかるまでは、中途半端な妥協をせずにしっかりと検討すべきだと思います。そのお手伝いをしてくれるのがM&Aキャピタルパートナーズの役割なのでしょう。

本林

私たち仲介会社は黒子でしかありません。私たちが頑張ったところで成立するものではなく、企業同士が真摯に向き合い、誠実な検討を重ね、はじめてまとまる話です。その取り組みがよりスムーズに進むようにお手伝いすることが私たちの使命だと思っています。
M&Aは情報収集が難しく、どのような検討をすれば良いのかなどイメージが湧きにくいものです。そういったお悩みに関して具体的なイメージを持っていただき、M&Aが本当に良い選択なのか判断していただくために情報を提供しています。それが私たちにできる唯一のことなので、これからも寄り添っていければと思っています。
普段の生活の中で建設業との関わりと言えば、工事現場を見ることくらいかもしれません。しかし、私たちがいる建物や通ってきた道路などは、その地域に建設会社があるからこそ安心して使うことができます。建設業はなくてはならない業界です。その中でも歴史のある会社が将来にわたって成長していくためにM&Aを検討し、良い相手にバトンを渡せたと言っていただけたことが、とても嬉しいです。これからも、今回のように意義あるお手伝いをしていきたいと感じました。

須田

今回、お話がスムーズに進んだのは両社が協力的だったことが大きいと感じています。仕事をしていてとても楽しかったですし、喜んでいただけてとても良かったと感じています。トライネットは、将来的な戦略を考えるという意味合いが大きいですが、地方の建設会社で同じような考えを持っている会社は、正直、少ないと思います。情報を収集する前にM&Aという選択肢を排除してしまっているオーナー様もたくさんいらっしゃると思うので、今回の成功事例を広くに発信していきたいです。

(左から)弊社須田、弊社本林、黒田様、小木曽様、折山様

(左から)弊社須田、弊社本林、黒田様、小木曽様、折山様

文:伊藤 秋廣   写真:服部 健太郎  取材日:2023/6/2

担当者プロフィール

  • 企業情報部 主任 本林 龍磨

    企業情報部主任本林 龍磨

    新卒で大手証券会社に入社し、上場・未上場企業オーナーの資産運用及びIPO支援・M&A支援に従事。当社入社後は建設業、サービス業、製造業等の幅広い分野でのM&A支援実績を有する。建設業界M&Aプロフェッショナルチームメンバー。

  • 企業情報部 課長 須田 真和

    企業情報部課長須田 真和

    新卒で銀行に入行し、中堅・中小企業向けの融資業務・コンサルティング業務や個人の資産運用業務に従事。当社入社後は一貫してM&Aアドバイザー業務に従事し、建設業・工事業・運送業・製造業・IT企業等の幅広い分野において経験と実績を有している。建設業界M&Aプロフェッショナルチームメンバー。

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