M&A成約事例・実績
ご成約者インタビュー 
それぞれの選択

M&Aご成約者事例
#86

テクノロジー企業の力を翼に、さらなる飛躍を目指す

全国に7つの拠点を有し、複数の生命保険会社・損害保険会社から保険商品の販売を受託。いち早く、顧客の家計改善を重視するFP(ファイナンシャルプランナー)業務を展開してきた株式会社Next Solutionは、2022年、株式会社マネーフォワードへ株式譲渡によるM&Aを行った。なぜM&Aを考え、譲渡先に株式会社マネーフォワードを選んだのか。株式会社Next Solutionの創業者、小勝 通光様に話を伺った。

  • 譲渡企業

    会社名
    株式会社Next Solution
    所在地
    神奈川県横浜市
    事業内容
    保険代理店、FP相談業務(ファイナンシャルプランニング全般)など
    M&Aの検討理由
    更なる成長発展のため
  • 譲受企業

    会社名
    株式会社マネーフォワード
    所在地
    東京都港区
    事業内容
    PFMサービスおよびクラウドサービスの開発・提供
    M&Aの検討理由
    新規事業の創出のため

“この人に貢献したい”と思える相手を顧客に

まずは、小勝様が株式会社Next Solutionを創業した経緯からお話しいただけますか。

小勝
株式会社Next Solution 代表取締役 小勝 通光(以下、小勝)

10年間勤めていた信用金庫が破綻しまして、転職先として選んだのが、大手外資の保険会社でした。前職の破綻によって困窮したお客様のなかに、保険金で助かった人も多くいたため、その効力を実感したのはもちろん、やはり次は安定した基盤を持つ会社に転職したいという思いもありました。

また、従来の信用金庫の融資姿勢に疑問を持っていたことも、転職先選択の理由もひとつにつながります。多くの融資担当が“借りてもらえればいい”という意識を持っていましたが、私はそうではなく、“個人のライフプランを考えた方がいい”という考えを持っており、それはすなわち、ファイナンシャルプランナーの仕事でした。

当時の保険は人づて、あるいはセット売りで加入してもらうことが主流になっていました。しかし、本来であれば、“それまで払っていたものが将来的にどうなるのか?”を把握する必要があり、加入していただく際にライフプランやキャッシュフロー表を提示すべきです。私が転職した保険会社は外資系であったため、ライフプランを考えて保険を販売するという考えがあり、私の保険に対する考えと合致したのが大きな決め手となりました。

ところが長く勤務しているうちに、あるジレンマを感じるようになります。ライフプランを組み立てると、私なりに“こうしたほうがいい”という提案が生まれてきますが、当然、勤務していた保険会社の商品しか取り扱えません。であるならば、会社を辞めて代理店の立場になれば、複数社の保険商品を提案できますし、そのほうがお客様の役に立てると思いました。そこで保険代理店とFP業務ができるような会社を立ち上げようと考え始めたのが、このNext Solutionです。

独立して実感したのは、FPはお客様と一生のお付き合いになるので、自分が“この人に貢献したい”と思える方をお客様にできるということです。そして、その方が好きな方は、おそらく私も好きな方なので、ご紹介をしていただくことで、お客様の輪が広がっていきます。私が一人で営業できるお客様は、おそらく300人が限界ですが、その300人の好きな方とお付き合いができたら仕事が楽しくなります。お客様を選べるという点で魅力を感じていました。

また、自分が勉強したことでお客様に喜んでもらえることも、やりがいにつながりました。保険商品はどこで契約しても同じなので、私たちが持つ知識でお客様が目指す理想の未来に寄り添ってあげることが我々の価値になると考えています。お客様の人生がより良いものになっていけば保険料も大きくなっていく、まさにビジネス的にもwin-winの関係になることができます。

FPというお仕事に大きなやりがいを感じていらっしゃったのですね。

小勝
小勝

そうですね。その一方で、“保険代理店は産業にすらなっていない”と感じていました。当時は親族に保険を売って自分は代理店業務を辞めてしまうケースも見られ、本来であれば必要不可欠な素晴らしい商材であるにもかかわらず、「保険屋さん」という言葉に悪いイメージを持たれている方も多くいらっしゃったのは確かです。悪いことをしているわけではないので、世の中における立ち位置を変えて、みなさんに正しく認知してもらいたいという思いがありました。

だからこそ、販売して終わりではなく、一生、寄り添ってお役に立つFPというスタイルを選んだのですが、現実はそれほど甘くはなく、お客様の認識を変えるのは難しいと実感しました。コロナ禍直前から、なかなか市場が広がっていかないという閉塞感を覚えるようになりました。

また、改めて言うまでもありませんが、保険代理店を維持するためにはお客様を確保することがとても重要です。業界には「リーズ」と呼ばれる、案件を探す業者がいたのですが、保険業法の改正があり、それを使えなくなるという事態になりました。そこで純粋にマーケットを探さなくてはならなくなったときに考えたのが、たくさん顧客を持っている企業とのコラボレーションでした。カード会社やハウスメーカーと提携して、セミナーを開催し、関心ある方にFPを提案するというお取り組みを始めました。

素晴らしいアイデアですね。

小勝
小勝

保険に関するアドバイスだけでなく、先々の人生設計のなかで、どのようにお金と向き合うべきかという内容をお伝えしていました。それは法人顧客に対しても同じで、特に中小企業の“先行きをどうするか?”というご相談を受けていくなか、M&Aを検討したいという経営者も多く、そういった方々に対し、保険会社勤務時代から付き合いのあった仲介会社の担当者をおつなぎしていました。しかし、最初にやりとりしていた仲介会社の担当者が新人なのか、あまり経験値がなく、交渉もスムーズに進まなかったため、結局は私が説得するという場面も多々ありました。そのときから担当者のレベルによって、会社の行く末も左右されてしまうという実感を持つようになりました。

そこで、他の仲介会社はないだろうかと探してたどり着いたのが、M&Aキャピタルパートナーズでした。M&Aキャピタルパートナーズには保険会社出身の担当者がいらっしゃったので意気投合し、一緒にM&Aのセミナーを開催しました。その頃は、自分がM&Aをするということはまったく考えていませんでした。

担当者が自分の思いを正しく理解してくれた

どのような気持ちの変化があり、ご自分も“M&Aを検討しよう”と考えるようになったのでしょうか。

小勝
小勝

先ほど説明したように、さまざまな企業と提携してビジネスを展開していましたが、いずれ提携は終了するので、常に新たなパートナーを探し続けなくてはなりません。その繰り返しに疲労を覚えるようになりました。また、だんだんとセミナーをする会社も増えてきて、競争相手が多くなってきたのも事実です。そのため、提携ではなく、M&Aによって相手企業のグループに入ってしまえば良いのでは?と考えるようになりました。マーケットを拡大・創出するために株を持ってもらうという考えなので、会社を売却するという意識はあまりありません。組みたい会社を探すというイメージでM&Aを捉えていました。

私には、契約を増やし続けなくてはならないという考えがありました。自分だけならそこまで契約を増やさなくても良いかもしれませんが、私が採用してきた従業員にもマーケットを提供する必要があったのです。5人でスタートした会社も、当時、50人まで拡大していました。

そこでM&Aキャピタルパートナーズに声をかけられたのですね。

小勝
小勝

そうです。複数社の仲介会社を知っていましたが、やはり最初の入口としては、“相談だけならお金がかからない”という点は大きかったですね。そして実際に相談したら、自分が思っていたことを正しく理解していただけたと感じました。一応、数社お声がけをしたのですが、他の仲介会社の方でちゃんと理解してくれた方はいませんでした。それは姿勢の違いに起因します。M&Aキャピタルパートナーズの担当者は、しっかりと思いを聞いてくれて、こちらを向いて仕事をしてくれるという期待感もあり、お任せしたいと思いました。他の仲介会社の担当者とはレベルの差を大きく感じました。

まずは要望をお伝えし、商社系や金融系、教育系、IT系、税理士、会計事務所などいくつかの業種の候補先リストをご提示いただき、そこからピックアップしてもらったうえで、数社にお会いすることにしました。しかし、その後、コロナ禍に突入し、いったん話を止めていただいたのですが、やはり前に進めたいという思いを持って再検討を開始。再度リストを出してもらって、私の方からマネーフォワードを逆指名させていただきました。

マネーフォワードは、例のセミナーの提携先のひとつでした。私たちは担当者一人に対して300人のお客様を相手にすることが限界だったのですが、テクノロジーを活用することで処理できる量が10倍になるだろうと予測し、それを実践していたのがマネーフォワードでした。そこで、M&Aキャピタルパートナーズに交渉事を担っていただこうと考えました。

各社から条件提示がでてきたタイミングから井野さんが担当者になりました。井野さんは、聞き上手で、コミュニケーションをしっかり取ってくれるとてもマメな人です。質問すると夜中でもすぐに回答してくれて、こちらが申し訳ないと思うほどでした。そういう点でも信頼できる方だと感じました。

M&Aキャピタルパートナーズ 企業情報部 部長 井野 幹也(以下、井野)
井野

小勝様に、お気持ちをいろいろと教えていただき、小勝様について深く知ることから始めました。私自身、M&Aの仲介は、各企業の関係者の皆様の人生を背負っている仕事であると意識しています。すべての支援が命懸けの真剣勝負だと思っているので、深掘りするのは基本姿勢としています。以前から小勝様とやりとりのあったM&Aキャピタルパートナーズの関係者が小勝様のことを「一番好きな経営者」と言っていましたが、私もその気持ちに共感しました。

最初に小勝様にお会いしたときにも、人間的な魅力を感じていましたし、僭越ながら考え方が似ている方だなとも思いました。私たちも、“好きなお客様のために一生懸命になれる仕事”に従事しています。小勝様は人生の先輩でもあるので、その方から学ばせていただけるのはとてもありがたいことです。

また、“正しいサービスをお客様に提供したい”という考え方も私たちと似ていると感じました。M&Aキャピタルパートナーズは、「正しいM&A」を指針として掲げています。M&Aの仲介会社は近年急速に増加しており、 “決して正しいとは言えないM&A”を押し付けているケースも横行していると聞きます。その中で私たちは公正な報酬体系などを打ち出していく存在になろうとしています。そのような意味でも、誠実なお人柄であるという点が印象に残っていますし、共感できる話をたくさんいただきました。

小勝様はゼロからこの会社を立ち上げ発展させる過程で、とても高い視座をお持ちになっています。端的にいえば、“今の保険代理店はお客様に向いた仕事になっていない”と感じていらっしゃるのですね。それを解決できるパートナーがマネーフォワードです。マネーフォワードには家計簿アプリがありますが、可視化されていない数兆円を超えるようなお金が日本にはあり、第二の日本銀行になれるのではないかというビジョンを持っています。私はそのビジョン実現のお手伝いをしたいという思いを持ちながら交渉に当たってきました。

マネーフォワード社の経営陣と実際にお会いしてどのように感じましたか。

小勝
小勝

最初にお会いしたのは取締役の方だったのですが、「FPとして保険代理店を経営している方とお会いするのは初めてなので、ぜひ社長に会ってほしい」とおっしゃいました。代表の辻さんとお会いすると、すぐに意気投合し、具体的に話を進めることになりました。辻さんは「保険のことはよく分からないから教えてほしい」というスタンスでお話を望まれていたのが印象的です。私は最初M&Aをするならマネーフォワードが良いと考えていたので、マネーフォワード側に気に入ってもらえたのが嬉しかったです。マネーフォワードとしても、金融商品、保険をしっかり販売していきたいという思惑があったので、私たちと組むメリットがあると判断してくれたのでしょう。井野さんが間に入って、さまざまな交渉事をまとめてくれたので、非常にスムーズに成約までこぎつけることができました。

病院の先生だったら“名医”だと思った

成約直後の、率直なお気持ちを教えてください。

小勝
小勝

これからシナジー(相乗効果)が生まれて、従業員たちも喜んでくれると思いました。私も引退するわけではないので、ホッとするというよりも、“これからが大変だな”と身が引き締まる思いでしたね。これまでは自分がトップの会社だったので、自分の好きに動くことができたのですが、これからはマネーフォワードのグループになるのでこれまでのようにはいきません。少しだけサラリーマンに戻るようなイメージですかね。

成約後の2年間は、言語が違うというか、戸惑うことがありました。たとえるなら私たちはジャングルで生活していて、マネーフォワードは都会の人という感じ。会議でもIT用語がたくさん飛び交い、最初は言っていることも分からないこともありました。マネーフォワード側も、保険の話をしている私たちの言葉がわかっていなかったとは思います。毎回、専門用語を説明してから議題に入るという流れだったので、分かり合うまでにとても時間がかかりました。文化が違いすぎて、最初は“ヤバい”と思いましたが、総じてマネーフォワードの方々はとても良い人が多かったですね。異なった文化をひとつにするのは大変なことなので、これからも時間はかかると思います。ここで諦めてしまったら本当のシナジーは生まれないので、互いに歩み寄ってじっくり取り組んでいければと思っています。

成約して2年が経過しても、井野さんとの交流が続いているのですね。

小勝

井野さんに会ってほしいと思うお客様がいらっしゃるので、その方々を紹介しています。井野さんは私の人生の転機に関わった方です。会社の譲渡というのは一度人生が終わるかのような感覚ですが、井野さんはそこで一緒に戦ってくれた人です。きちんと関わってくれた人というのはおそらく一生忘れないでしょう。

M&Aキャピタルパートナーズの担当として井野さんはどのようにお役に立てましたか。

小勝・井野
小勝

契約にはさまざまな条件がありますが、自分が分からないところをたくさん支援してくれました。とても頼りになりましたし、もちろん絶対的な信頼を寄せていました。また、従業員たちに“M&Aが成立した”という事実を伝えるときの言葉も一緒に考えてくれて、実務だけでなく気持ちの面でも支えてもらいました。とても濃い時間だったと思います。

M&A仲介という仕事は保険と一緒で、5年後、10年後に“良かった”と思ってもらえるかどうかが重要な仕事です。井野さんがいなかったら今の私はいません。他の仲介会社の担当者だったら、今はなかったかもしれません。本当にたくさんサポートしていただきました。病院の先生だったら“名医”だと思います。M&Aは私たち依頼者側と仲介会社の担当の共同作業なので、関係性が良くなければ良い結果にはならないと思います。

ありがとうございます。最後に、皆さまから、これからM&Aを検討する経営者の方々にメッセージをお願いします。

小勝
小勝

自分のビジネスをさらに飛躍させたい経営者の方は、M&Aキャピタルパートナーズに相談することをお勧めします。自分の予想をはるかに越えた提案をしてくださります。自分のビジネスを伸ばす選択肢のひとつとしてM&Aがあるという認識を持っていただき、そのパートナーとしてM&Aキャピタルパートナーズを選んでいただきたいです。中小企業の経営者、とくに私たちのような昭和世代の人間というのは、“シナジーを生み出したい”という気持ちがあってもなかなか行動に移せない人が多いと思います。しかしそれでは前に進むことができません。その一歩を踏み出すべきです。M&Aはどうしても“買収される”というイメージを持っている方がとても多いのですが、その先入観は捨てて、経営者がその選択肢を持つことがリスク回避につながると認識していただければと思います。

井野

世の中には小勝様のように素晴らしい経営者がたくさんいらっしゃって、私たちはその方々の人生の大きな決断に寄り添えるありがたい仕事をしています。その中で知識は礼儀であり、これまでの経験を活かして自分の力を120%出して、お客様の期待に応えていきたいと思っています。たくさんの人の話を聞くというのは、ご自身の会社の可能性を広げるためにも大事なことだと思いますので、ご縁があったならば、お話ができることを楽しみにしています。


(左から)弊社井野、小勝様

文:伊藤 秋廣  写真:小野 綾子 取材日:2024/6/14

担当者プロフィール

  • 企業情報部  部長 井野 幹也

    企業情報部 部長井野 幹也

    • 米国公認会計士

    米国の大学を卒業後、Big4(世界4大監査法人)にてメガバンク及び大手証券会社などの金融機関向けの会計監査・コンサルティング業務に従事。
    その後、外資系メーカー(ファイナンス部)、Big4系FAS(投資銀行業務・FA業務)、投資ファンド(プライベートエクイティ)などを経て弊社入社。
    現在は、金融・物流・飲食・コンサルティング・建設・工事業界など、幅広い業種のM&A案件を手掛ける。

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