更新日
譲渡承認取締役会について
譲渡承認取締役会とは、株式譲渡制限会社で株式の譲渡可否を審査・決定する取締役会を指します。会社方針や経営状況への適合性を踏まえ承認または拒否を判断し、承認後は契約、名義書換、株主名簿記載事項証明書の交付へ進みます。経営の安定と方針維持を目的とする重要プロセスです。
M&A(Mergers and Acquisitions、合併・買収)を検討している企業にとって、株式の譲渡はその企業の成長や発展のための重要な手段の一つとされています。特に株式譲渡制限会社においては、株式の譲渡が会社の経営に直接的な影響を及ぼすため、特定の手続きと規制が設けられています。その中でも譲渡承認取締役会と譲渡制限株式が重要になります。
本記事では、「M&Aとは?」の基本的な理解を踏まえたうえで、譲渡承認取締役会と株式譲渡制限会社に焦点を当て、株式譲渡制限会社における株式譲渡の手順と留意点について詳しく説明します。
譲渡承認取締役会の概要
譲渡承認取締役会とは?
譲渡承認取締役会とは、株式譲渡制限会社において株式の譲渡に関する承認を行う取締役会のことを指します。この取締役会は、定款で株式譲渡制限が設けられている会社において、株式の譲渡が会社の方針や経営状況に適合しているかを審査し、承認または拒否の決定を行います。これは、会社の経営構造の安定と経営戦略の継続性を保つための重要なプロセスと一般的に認識されています。
株式譲渡制限会社とは
次に株式譲渡制限会社とは、その会社の定款で株式の譲渡に制限を設けている会社のことをいいます。株式譲渡制限会社では、株主が自由に株式を第三者に譲渡することができず、取締役会の承認を得る必要があります。この制度は、自分たちの会社の不利になる第三者に株式が譲渡されることを防ぐためで、企業の特定の価値観や経営方針を保護する目的があります。
なお、株式の所有数が経営に与える主な権利等は以下のとおりです。
- 持株比率100%
- 個人ならオーナー経営者、法人なら完全親会社
- 持株比率3分の2超
- 株主総会の特別決議(経営の重要事項の決議)を単独で可決できる
- 持株比率過半数
- 株主総会の普通決議(通常の会社の意思決定)を単独で可決できる
- 持株比率3分の1超
- 株主総会の特別決議を単独で否決できる
- 持株比率3%超
- 株主総会の招集請求権、会計帳簿の閲覧および謄写請求権がある
- 持株比率1%超
- 取締役会設置会社での株主総会の議案請求権がある
譲渡制限株式の譲渡承認スケジュール
取締役会設置会社において、取締役会が譲渡制限株式の譲渡を承認する場合の承認スケジュールは主に以下のとおりです。
- 株式譲渡承認の請求
譲渡制限株式の株式譲渡を希望する株主、あるいは株式の買収を検討している買い手は、会社に対して株式譲渡承認の請求を行う必要があります。 - 取締役会での承認
取締役会で承認決議を行う場合は、「取締役の過半数の出席」ならびに「出席した取締役の過半数の賛成」が必要となります。 - 株式譲渡承認の通知
取締役会での承認決議後に続いて株式譲渡承認の通知が行われます。会社側は、譲渡承認請求をされてから2週間以内に承認請求に対する回答を通知する必要があります。 - 株式譲渡承認の締結
株式譲渡承認の通知後、株式譲渡契約の締結へと移ります。株式譲渡契約の締結では、譲渡側と譲受側がそれぞれ株式譲渡契約書に必要な内容を記載して契約締結をします。 - 株主名義の書き換え請求
株式譲渡契約の締結後、株式譲渡側・譲受側が共同で、会社に対して株主名義を新しい株主の氏名に書き換えるための請求をします。 - 株主名簿記載事項の証明書の交付
株主名義の書き換え請求後に株主名簿記載事項証明書の交付請求を行います。株主名簿記載事項証明書の交付により、会社の株主名簿に買収側が新しい株主として記載されているか確認できます。
譲渡制限株式を譲渡する際の留意点
譲渡制限株式の譲渡を検討する際には、以下の点に留意する必要があります。
- 定款の内容を確認する
- 譲渡制限の内容は、会社の定款に定められているため、その内容を確認する必要があります。
- 取締役会の判断基準を理解する
- 取締役会が株式譲渡の承認を行う際の基準や考慮事項を把握しておくことが重要です。
- 法的な手続きに従う
- 株式譲渡の手続きには、法律上の定めがあるため、これらを遵守することが必要です。
- 適切な情報開示を行う
- 譲渡希望者は、譲渡承認を行う取締役会に対して譲渡に関する必要な情報を提供する必要があります。
まとめ
株式譲渡制限会社における株式の譲渡は、企業の経営理念と安定性を守るための重要なメカニズムです。また、譲渡承認取締役会を通じた審査プロセスは、会社の利益と株主の意向のバランスを取りながら、適切な譲渡の実現を目指しています。経営者が譲渡制限株式の譲渡を検討する際には、定められた手順を理解しておくことが、実際に株式譲渡を行う際にスムーズな株式譲渡と企業価値の維持につながると考えます。
基本合意まで無料
事業承継・譲渡売却はお気軽にご相談ください。
よくある質問
- 譲渡承認取締役会とはどのような役割を持つ機関ですか?
- 譲渡承認取締役会は、株式譲渡制限会社において株式の譲渡を承認する役割を担う機関です。株主が第三者へ自由に株式を譲渡できない仕組みのもと、会社の方針や経営への影響を踏まえて、譲渡の可否を判断します。経営の安定性を守り、望ましくない外部者の参入を防ぐ目的で設置される仕組みです。
- 株式譲渡制限会社とはどのような会社で、どのような目的がありますか?
- 株式譲渡制限会社とは、株式の譲渡について会社の承認が必要となるよう定款で制限を設けている会社です。第三者による不適切な株式取得を防ぎ、経営方針や価値観を守ることを目的としています。また、株主の持株比率に応じて、特別決議や普通決議の可否・否決権、招集請求権、帳簿閲覧請求権、議案請求権など、経営に関与する権利が変化する点も特徴です。
- 持株比率によって株主が行使できる主な権利にはどのようなものがありますか?
- 持株比率に応じて株主が行使できる権利が異なります。100%保有であれば会社を完全に支配する立場となり、三分の二超の保有で特別決議を単独で可決できます。三分の一超の保有で特別決議を単独で否決でき、過半数の保有で普通決議を単独で可決できます。また、3%以上で招集請求権や帳簿閲覧請求権が認められ、取締役会設置会社では1%以上で議案請求権を行使できます。
- 譲渡制限株式の譲渡承認手続きはどのような流れで進みますか?
- 譲渡制限株式の承認手続きは、まず株主や株式の取得を希望する者が会社へ承認を申請するところから始まります。続いて取締役会が開催され、出席取締役の過半数の賛成により承認の可否が決定されます。会社は申請から二週間以内に結果を通知し、その後は株式譲渡契約の締結、株主名義の書き換え、株主名簿記載事項証明書の交付を経て、新株主としての記録が完了します。
- 譲渡制限株式を譲渡する際に注意すべきポイントは何ですか?
- 株式譲渡を進める際には、定款に定められた譲渡制限の内容をあらかじめ確認することが重要です。また、取締役会が承認を判断する際に重視する基準や観点を把握しておく必要があります。さらに、法令に沿った手続きを踏むこと、取締役会へ提出する情報を適切に準備することがスムーズな進行につながります。
M&Aを流れから学ぶ
(解説記事&用語集)
M&A関連記事
M&A基礎
目的別M&A
- 事業承継とは
- 事業承継とM&Aの違い
- 事業承継M&A
- 「事業承継」と「事業継承」の違い
- 事業承継問題
- 後継者不足の実態
- 事業承継における課題
- 事業承継対策の必要性
- 事業承継を実施するタイミング
- 事業承継の流れ
- 事業承継計画
- 事業承継計画書の記載項目
- 事業承継のチェックリスト
- 事業承継における後継者選定
- 事業承継における後継者育成
- 親族内承継
- 親族外承継
- 従業員への事業承継
- 第三者承継
- 親族内承継と第三者承継の比較
- 後継者のいない会社を買う
- 事業承継の主要スキーム比較
- 持株会社を活用した事業承継
- 事業承継信託
- 事業承継ファンド
- 医療法人の事業承継
- 事業承継に向けた資金調達方法
- 事業承継補助金
- 事業承継で活用できる融資
- 事業承継における生命保険
- 事業承継税制
- 事業承継の税務対策
- 事業承継と資産移転
- 事業承継時の消費税の取扱い
- 承継時の債権・債務の取扱い
- 地位承継
- 包括承継
- 許認可の承継
- 株式相続
- 株式の贈与
- 自社株贈与
- 事業承継士
- 事業承継の専門家
- 事業承継コンサルティング
- 事業承継特別保証制度
- 事業承継に潜むリスクと対策
- 事業承継に伴う労務管理リスク
- 会社売却と事業承継の違い
M&Aスキーム
M&Aプロセス
企業価値評価
M&Aリスク
デューデリジェンス
M&Aファイナンス
M&A税務
M&A法務
用語・その他
- バスケット条項
- 当期純利益
- 資産除去債務
- XBRL
- 特別決議
- 譲渡承認取締役会【閲覧中】
- 大量保有報告
- 適時開示
- 法務のポイント
- インサイダー取引
- チャイニーズ・ウォール
- 匿名組合
- キラー・ビー
- クラウン・ジュエル
- グリーン・メール
- ゴールデンパラシュート
- ジューイッシュ・デンティスト
- スタッガード・ボード
- スケールメリット
- ストラクチャー
- 利益相反
- 源泉徴収
- プロキシー・ファイト
- パールハーバー・ファイル
- Qレシオ
- MSCB
- IFRS
- 現物出資
- コントロールプレミアム
- ゴーイング・プライベート(Going Private)
- バックエンド・ピル
- パックマン・ディフェンス
- EV(事業価値)
- 売渡請求
- 株主価値
- レバレッジ効果
- 減損価格
- アーンアウト
- シャーク・リペラント
- スーイサイド・ピル
- ティン・パラシュート
- 低廉譲渡
- 監査法人
- 相対取引
- 範囲の経済
- アナジー効果
- 債券
- 純有利子負債(ネット デット)
- ホールディングス
- COC条項(チェンジ・オブ・コントロール条項)
- ディスクロージャー
- 会社法
- ROA(総資産利益率)
- 国際租税条約
- 役員報酬
- SWOT分析
- アンゾフの成長マトリクス
- サクセッションプラン
- ドラッグアロング
- 累進課税
- 総合課税と分離課税の違い
- キャピタルゲイン
- インカムゲイン
- 資本と負債の区分
- 益金不算入
- タックスシールド
- 繰越欠損金
- スタンドアローン・イシュー
- ロックド・ボックス方式
- 特定承継
- プットオプション
- 埋没費用(サンクコスト)
M&Aキャピタルパートナーズが
選ばれる理由
創業以来、売り手・買い手双方のお客様から頂戴する手数料は同一で、
実際の株式の取引額をそのまま報酬基準とする「株価レーマン方式」を採用しております。
弊社の頂戴する成功報酬の報酬率(手数料率)は、
M&A仲介業界の中でも「支払手数料率の低さNo.1」を誇っております。
-
明瞭かつ納得の手数料体系
創業以来変わらない着手金無料などの報酬体系で、お相手企業と基本合意に至るまで無料で支援致します。
- 関連ページ -
-
豊富なM&A成約実績
創業以来、国内No.1の調剤薬局業界のM&A成約実績の他、多種多様な業界・業種において多くの実績がございます。
- 関連ページ -
基本合意まで無料
事業承継・譲渡売却はお気軽にご相談ください。
