ノンリコースローンとは? 概要とリコースローンとの違い、メリット・デメリット、活用事例について詳しく説明

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ノンリコースローンについて

ノンリコースローンは、責任財産の収益力に基づいて融資額を決め、返済責任をその範囲に限定する非遡及型融資です。返済不能時も責任財産の処分超過の返済を求めない点が特徴で、M&AではLBO等の資金調達に用いられます。

資金調達で「どこまで責任を負うか」は事業リスク管理の核心です。ノンリコースローンは、責任財産のキャッシュフローを裏付けに返済責任を限定できるため、不動産投資やM&Aの現場で活用が進んでいます。一方、従来型のリコースローンは借り手に広い返済義務が及びます。

本記事では、「M&Aとは?」の基本的な理解を踏まえたうえで、ノンリコースローンの定義と仕組み、M&AにおけるLBOでの使われ方、リコースローンとの違い、メリット・デメリット、契約時の実務的留意点を整理します。


ノンリコースローンの概要

ノンリコースローンとは?

ノンリコースローンとは非遡及型融資ともいわれ、責任財産の収益力(キャッシュ・フロー)から算定される金額を基に融資を行い、その範囲内に返済責任を限定する貸付方法をいいます。

ノンリコースローン イメージ画像

責任財産とは、収益力のある不動産が一般的ですが、継続的に収益を生み出す企業や動産、債権の場合もあります。責任財産のこうした収益力を裏付けに貸出を行い、返済が不能になった場合は、その責任財産の処分を超える返済を求めない手法です。

ノンリコースローンのM&Aの活用方法

M&Aおいては、買収対象会社の返済能力に基づいた資金調達の手法のことを指すことが多いです。その代表的なものにLBO(レバレッジドバイアウト)によるノンリコースローンが挙げられます。日本では2006年に、ソフトバンクがボーダフォン日本法人(現在のソフトバンクモバイル)を買収する際に、このノンリコースローン(のLBOファイナンス)で資金調達したことが有名です。
なお、LBOとは買収資金を調達するために、譲受企業(買い手)が譲渡企業(売り手)の資産などを担保に、金融機関等から融資を受けて資金調達をする点に特徴があります。そのため、自己資金が少なくてもM&Aに取り組むことが可能な方法をいいます。

ノンリコースローンとリコースローンの違い

ノンリコースローンと似た用語にリコースローン(Recourse Loan)があります。ローン等の返済に対する責任範囲を限定した融資契約であるノンリコースローンに対して、リコースローンとは、責任範囲を限定せず、返済義務を負う融資方式をいいます。
一般的に日本における不動産に対しての融資や、投資での融資の場合の多くが、リコースローンで行われています。なお、リコースローンの場合は、条件よく融資を行うため滞った場合には、個人・法人が責任を持って返済を行う必要があります。

ノンリコースローンのメリットとデメリット

ノンリコースローンのメリットとデメリットを以下のとおり整理します。

ノンリコースローンのメリット

まず、ノンリコースローンの主なメリットは以下のとおりです。

  • 不測の事態により、返済が出来ない状況に陥った場合でも、担保に設定している責任財産を売却して返済の一部に充てる以上の返済義務がなく、責任範囲を限定できる。
  • 他の事業や資産に影響が及ばないため、債権を流動化する際の資金調達にも活用しやすい。
  • ノンリコースローンの審査は個人の返済能力ではなく、責任財産の収益性が良ければ審査に通る可能性が高まる。

ノンリコースローンのデメリット

次にノンリコースローンの主なデメリットは以下のとおりです。

  • ノンリコースローンは責任財産の収益力を重視するため、対象責任財産の審査基準が厳しいことが多い。
  • ノンリコースローンはリスクが高い投資と認識されているため、借り手にとって、通常の融資よりも金利が高く設定され、返済期間も短くされることが多い。
  • ノンリコースローンを利用出来る金融機関は複数あるが、法人向けのものが多く、詳しい条件などを記載しているとこは少ない。

ノンリコースローンの留意点

実際にノンリコースローンを利用する際の主な留意点は以下のとおりです。
まず、責任の範囲の取り決めについて書かれている「責任財産限定特約」についての内容を確認することが重要です。これは、契約書に記載されている内容を返済できない場合、対象債権の売却金だけで返済する義務がなくなるかが決まるためです。
次に制限条項(コベナンツ)について確認することが重要です。制限条項(コベナンツ)とは、金融機関が借主に対して課す義務や制限などの条件のことです。この条件に違反した時、金融機関は(原則として)一括返済を求めることができます。そのため、制限条項が無理なく遵守することが出来る内容なのかを確認するようにする必要があります。

まとめ

ノンリコースローンは、借り手の資産を保護しながら資金を調達することができます。これは特に不動産投資や大規模プロジェクトの資金調達に適しており、企業のM&A活動においても有用な資金調達の手段となり得ます。しかし、金利が高かったり、審査基準が厳しいため、利用する際には十分な計画と準備が必要と考えます。



よくある質問

  • ノンリコースローンとは何ですか?
  • ノンリコースローンとは、非遡及型融資とも呼ばれ、責任財産の収益力(キャッシュ・フロー)から算定される金額を基準に融資を行い、その責任財産の範囲内に返済責任を限定する貸付方法です。責任財産には収益不動産だけでなく、継続的に収益を生み出す企業や動産、債権なども含まれ、返済不能となった場合でも責任財産の処分額を超える返済は求められません。
  • ノンリコースローンとリコースローンの違いは何ですか?
  • ノンリコースローンは責任財産に返済責任を限定し、それを超える範囲で借り手に追加の返済義務が生じないのに対し、リコースローンは責任範囲を限定せず、借り手(個人・法人)が全額の返済義務を負う融資方式です。日本の一般的な不動産融資や投資向け融資の多くはリコースローンで行われており、条件良く借りられる一方、返済が滞ると他の資産にも返済責任が及びます。
  • M&Aではノンリコースローンはどのような目的で活用されますか?
  • M&Aでは、買収対象会社が生み出すキャッシュ・フローや保有資産を責任財産とし、その返済能力に基づいて資金調達を行う手法としてノンリコースローンが活用されます。代表的なのがLBO(レバレッジド・バイアウト)で、譲受企業が譲渡企業の資産や将来キャッシュ・フローを担保に融資を受けることで、自己資金が少なくても買収に取り組める点が目的・狙いとなります。
  • ノンリコースローンはM&Aやファイナンスの現場でどのように使われますか?
  • M&Aでは、買収対象会社の資産や将来の収益力を責任財産として金融機関からノンリコースローンの融資を受け、その資金を買収資金に充てる形で使われます。LBOファイナンスでは、譲受企業が対象会社の資産・キャッシュ・フローを担保にレバレッジをかけることで、自己資金負担を抑えながら買収スキームを組成するのが典型的な使い方です。
  • ノンリコースローンの主なメリットは何ですか?
  • ノンリコースローンの主なメリットは、①返済不能時でも責任財産の処分を超える返済義務がなく、借り手の責任範囲を限定できること、②他の事業や資産に返済リスクが波及しにくいため、債権流動化などの資金調達にも活用しやすいこと、③審査の重心が個人・法人全体の信用力ではなく責任財産の収益性に置かれるため、対象資産のキャッシュ・フローが良好なら融資可否の可能性が高まる点です。
  • ノンリコースローンのデメリットやリスクにはどのようなものがありますか?
  • ノンリコースローンは、責任財産の収益力を重視するため対象資産に対する審査基準が厳しく、利用できる案件が限定されやすいデメリットがあります。また、貸し手からはハイリスクな融資と認識されるため、一般的な融資より金利が高く設定され、返済期間も短くなる傾向があります。さらに取り扱う金融機関も主に法人向けに限定されやすく、条件が分かりにくいなど情報面でのハードルもリスク要因となります。
  • ノンリコースローンを利用する際に特に注意すべきポイントは何ですか?
  • ノンリコースローンを利用する際は、まず契約書に記載される「責任財産限定特約」の内容を確認し、返済不能時に本当に責任財産の売却金のみで返済義務が区切られるかどうかを把握することが重要です。あわせて、金融機関が課す制限条項(コベナンツ)の内容も精査し、財務制限や行動制限を無理なく遵守できるかを事前に検証しておかないと、一括返済を求められるリスクが高まります。
  • 一般的な融資と比べた場合、ノンリコースローンのコスト面の特徴はどうなりますか?
  • ノンリコースローンは、貸し手側から見ると責任財産を超えて回収できない構造のため、通常のリコースローンよりリスクが高いとみなされます。その結果、借り手にとっては金利が高く設定されやすく、返済期間も短めに設定されることが多いというコスト面の特徴があります。

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